PCB廃棄物の保管・処理はどこに相談すればよい?業者を選ぶポイントを解説! | PCB処理 完全攻略ガイド
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PCB廃棄物の保管・処理はどこに相談すればよい?業者を選ぶポイントを解説!
公開:2023.08.28 更新:2024.05.21PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、かつては電気機器の絶縁油や冷却油として広く利用されていた人工的な有機化合物です。しかし、現在ではPCBは有害物質として扱われ、我が国では製造と輸入の両方が禁止されています。そのため、処分する際には適切な処理が必要とされます。信頼できる業者に依頼し、適切に処分することが大切です。
目次
PCBは有害
PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、生物の細胞や酵素系に損傷を与えることが知られています。特に高濃度のPCBに曝露されると、神経系、免疫系、内分泌系などの生理機能に影響を及ぼす可能性があり、胎児や乳幼児の発達にも悪影響を及ぼすことが研究で示されています。
また、PCBはPOPs(持続性有機汚染物質)の一種であり、環境中で長期間残存する特性を持っています。これは、PCBの生分解性が低く、熱や化学的な変化に対して安定しているためです。
そのため、PCBは土壌、水中、大気中などの環境中で蓄積し、生物や生態系に潜在的な影響を及ぼす可能性があります。さらに、PCBは発がん性物質とされており、長期間の曝露や高濃度のPCBによってがんのリスクが増加する可能性があります。特に肝臓がんや皮膚がんとの関連が報告されています。
カネミ油症事件は、1968年に西日本を中心に発生した事件です。この事件では、カネミ油に混入したPCBやダイオキシンによる健康被害が発生しました。当時、カネミ油は低価格で一般家庭でも使用されていましたが、製造過程で誤ってPCBが混入したために健康被害が引き起こされました。
被害者は湿疹やかぶれ、関節の痛み、食欲不振などの症状を訴え、1万3000人以上が被害を受け、死者も出る大規模な公衆衛生上の事件となりました。この事件は、PCBやダイオキシンなどの有害物質の健康被害を広く認識させ、環境保護と公衆衛生における規制と監視の重要性を世界的に浮き彫りにしました。
保管は勿論運搬にも注意が必要
PCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物の保管方法は、廃棄物処理法により定められている「特別管理産業廃棄物保管基準」に従って保管しなければなりません。そして、地域の規制とガイドラインに基づいて行われるべきです。また、PCB廃棄物の保管と運搬には、専門業者や専門知識を持つスタッフの指導が必要となります。
保管方法
特定の規制に準拠した専用の容器に保管する必要があります。容器はPCBの漏洩や拡散を防止し、環境へのリスクを最小限に抑えるために適切に設計されていなければなりません。容器内でPCBが漏れ出たり拡散したりしないように、しっかりと封じ込められる仕様であるべきです。
そして、容器には適切な識別ラベルや標識が貼られていることが一般的です。これにより、PCB廃棄物であることが明示され、適切な取り扱いができるようになります。
運搬方法
PCBの運搬は特定の許可を持つ専門業者によって行われます。適切な専門業者は、PCB廃棄物の取り扱いに関する知識と経験を有しており、規制に従った運搬を行います。そして、業者はPCB廃棄物を適切に収めた専用の車両やコンテナを使用しなければなりません。
また、適切な保護具の着用、漏洩や汚染のリスクを最小限に抑えるための防護措置の実施、および地域の法律や規制に準拠することも含まれます。さらに、PCB廃棄物の運搬に関連する正確な輸送記録の管理が重要です。これには、出発地から目的地までの輸送ルート、輸送手段、PCB廃棄物の量や特性などの詳細な情報の記録が含まれます。
PCB処理業者選びのポイント
信頼できる業者を選ぶためには、以下のPCB廃棄物処理業者選びのポイントを理解しておくと良いでしょう。
「PCB廃棄物作業従事者講習」の修了
「PCB廃棄物作業従事者講習」は、廃棄物の取り扱いに従事する作業者向けの講習です。この講習によって、作業従事者はPCB廃棄物を安全に処理し、環境や健康へのリスクを最小限に抑えるための必要な知識や技術を習得します。
高濃度PCB・低濃度PCBの両方に対応している
高濃度PCBは1㎏あたり5,000㎎超の濃度の廃棄物を指し、低濃度PCBは1㎏あたり0.5から5,000㎎までの廃棄物を指します。高濃度PCBと低濃度PCBの処理を同じ業者に委託することで、コスト削減や効率的な廃棄物処理が期待できます。また、処理スケジュールの管理や必要な許認可の取得などについても、一貫して対応することが可能です。
分析から処理までトータルで依頼が可能
PCB廃棄物のトータル処理を専門とする業者は、PCB廃棄物の特性、法律や規制、安全対策について深い知識と経験を持っています。これにより、適切な処理方法を選択し、最適な結果を提供できます。
さらに、トータルで依頼することにより、業者は一貫した品質基準と安全基準を提供することが可能となります。これにより、PCB廃棄物の処理に関する規制遵守や安全対策が確保され、高品質な処理が期待できます。
許認可と法令遵守
業者が必要な許認可を持っているか、また、関連する法律や規制を遵守しているかを確認することも重要です。
古い電気機器にはPCBが含まれているものがあり、これらは2027年3月31日までに処分を完了しなければならないと特別措置法で定められています。違反した場合、3年以下の懲役や罰金が科される等の罰則が存在しますので、十分に注意が必要です。
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