産業廃棄物処理事業振興財団とは?財団の取り組みを解説 | PCB処理 完全攻略ガイド
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産業廃棄物処理事業振興財団とは?財団の取り組みを解説
公開:2023.11.29 更新:2023.11.29産業廃棄物処理事業振興財団は、国、地方公共団体、産業界からの委託を受けて、廃棄物の適正処理や資源の循環利用を促進するためのさまざまな取り組みを行っています。産業廃棄物処理助成事業では、持続可能な循環型社会の構築を目指し、3Rに関する技術開発や環境負荷低減技術の開発、バイオ燃料認定研究開発などに対して助成を行っています。
目次
産業廃棄物処理事業振興財団とは?
産業廃棄物処理事業振興財団は、日本国内で廃棄物処理と環境保護に寄与している公益財団です。この財団は、国、地方公共団体、産業界からの委託を受けて、廃棄物の適正処理や資源の循環利用を促進するためのさまざまな取り組みを行っています。
産業廃棄物処理事業振興財団は、廃棄物処理業界の成長と環境への貢献を通じて、社会に価値を提供し、未来の環境に対応する重要な役割を果たしています。今後も「循環経済」や「脱炭素社会」への転換に向けて、さらなる取り組みを進めていく予定です。
主要な事業内容は以下のとおりです。
債務保証事業
優れた廃棄物処理施設を整備するため、金融機関からの借入を円滑に進めるための債務保証を提供しています。毎年、複数の処理施設に債務保証を提供し、産業廃棄物処理のモデルを確立しています。
助成事業
産業廃棄物の3R(Reduce, Reuse, Recycle)の推進や環境負荷の低減に向けた技術開発や起業を志す処理業者に対し、助成金を支給しています。毎年、2~3件のプロジェクトに累計500万円程度の助成を行っています。
振興事業
優れた処理業者の育成や、廃棄物処理に関する情報提供を通じて、産廃処理業界の成長を支援しています。情報の収集と証明事業、経営幹部向けのセミナーなど、多岐にわたるプログラムを提供し、次世代の人材育成と経営戦略のサポートを行っています。
適正処理推進事業
PCB廃棄物の適正処理、不法投棄の解消、福島の土壌減容化と再利用、地域での廃棄物の資源化、再生品認証など、5つのプロジェクトを展開しています。特に高濃度PCBの処理と不法投棄の問題に焦点を当て、国家的な課題に取り組んでいます。
財団のPCB等処理推進業務を解説
財団の取り組み
同財団は、設立以来、国のPCB(ポリクロリナートビフェニル)処理施策に積極的に協力しています。
具体的には、以下のような多岐にわたる業務に取り組んでいます。
・PCB処理技術の評価
・ガイドラインの策定
・保管場所からの安全な搬出技術の研究
・JESCOにおける処理困難なPCB廃棄物の処理方策の検討
・無害化処理認定における審査支援
・保管事業者向けの各種調査・助言
特にPCB廃棄物に関しては、PCB特措法に基づき、自治体(都道府県および政令市)への届出が義務付けられており、高濃度PCB廃棄物は地域ごとに定められた処分期間内に処分しなければなりません。
また、高濃度PCBを含む使用中の変圧器、コンデンサー、安定器などについても、処分期間内に使用を終え、適切に処分する必要があります。届出や処分期間内の処分を怠ると、行政から改善命令が出され、罰則が適用される可能性があります。
同財団は、PCB廃棄物の適切な処理と規制順守を支援し、環境へのリスクを最小限に抑えるための活動に取り組んでいます。その役割は、地域社会や産業界に対する重要な貢献となっています。
PCB廃棄物の経緯
PCB(ポリクロリナートビフェニル)は、その優れた熱的・化学的安定性と電気絶縁性から、長らく熱媒体や潤滑油、電気機器の絶縁油などに広く使用されてきました。
しかし、その安定性と脂溶性から、いったん環境中に放出されると長距離を移動し、野生生物に取り込まれて有害な影響を及ぼす地球規模の汚染が広がり、PCBの毒性が問題となりました。
国内では昭和43年にカネミ油症事件が発生し、PCBの毒性が社会問題化し、昭和40年代後半には製造・輸入・使用が原則禁止されました。
その後、回収されたPCB廃棄物は適切な処理施設の不足から30年以上にわたり保管が続けられ、保管中の漏洩や紛失が報告されました。このため、環境省は平成13年に「PCB特措法」を制定し、国が中心となって処理を進める方針を採用し、全国5カ所に拠点的広域処理施設を整備し、JESCOによる処理が行われています。
また、PCB特措法の施行後、予想外に多くの電気機器にPCBが含まれていることが判明し、大臣認定制度を活用して民間の産業廃棄物処理施設を利用して処理が進められています。
現在、多くの事業者がPCB廃棄物の処理に取り組んでおり、PCB問題の解決に向けた取り組みが進行中です。
改正PCB特措法の制定
平成23年10月、環境省はPCB特措法の施行から10年が経過したことから、「PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会」を設置し、PCB廃棄物の処理状況と今後の処理施策について検討を行いました。その結果、PCB特措法の処理完了期限が平成28年7月から平成39年3月31日に変更され、計画的処理完了期限が設けられました。
さらに、平成28年5月には、計画的処理完了期限を遵守して確実な処理完了を達成するため、政府が一体となって取り組むことを目的とする改正PCB特措法が成立し、8月1日から施行されました。この改正により、PCB廃棄物の処理において一層の進展が期待されています。
循環型社会を目指す産業廃棄物処理助成事業
公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団は、産業廃棄物処理に関する助成事業を通じて、持続可能な循環型社会の構築に寄与しています。助成事業は、高度な技術力の育成や健全な処理業者の支援を目的とし、以下の分野に焦点を当てて展開されています。
・産業廃棄物に関する3Rの技術開発(廃棄物の発生抑制・減量化技術、循環資源の再利用技術、再生利用技術の開発)
・環境負荷低減技術の開発
・バイオ燃料認定研究開発事業
・小型家電リサイクル認定研究開発事業
・プラスチック資源循環認定研究開発事業
これらの助成対象事業は、産業廃棄物処理業界に普及し、環境への負荷を低減し、資源循環型社会の構築に不可欠な役割を果たすことを目指しています。
申請資格
産業廃棄物処理助成事業の申請資格には以下の条件があります
産業廃棄物の処分を業として行う者(廃棄物の処理および清掃に関する法律第14条第6項の産業廃棄物処分業許可の取得者)または行う予定の者。(事前協議中であり、原則として助成事業の交付証が授与される前に許可を取得していることが必要です。)
また、以下の条件に該当する者も申請可能です。
・廃棄物の再生利用に係る特例に基づいて環境大臣の認定を受けた者(廃棄物の処理および清掃に関する法律第15条の4の2に基づく認定者)
・産業廃棄物の広域的処理に係る特例に基づいて環境大臣の認定を受けた者(廃棄物の処理および清掃に関する法律第15条の4の3に基づく認定者)
・専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの処分を業として行う者、または環境省令で定められた者(廃棄物の処理および清掃に関する法律第14条第6項に規定する条件を満たす者)
申請は一社だけでなく、外部組織との連携によるものも可能です。ただし、外部組織との連携の場合、代表者が条件を満たしている必要があり、関係者全員が条件を満たしている必要があります。助成事業が決定された場合、(公財)産業廃棄物処理事業振興財団の産廃情報ネットにおいて情報が公表されます。
対象となる事業
産業廃棄物処理助成事業の対象となる事業は以下の6つです。
1. 3R(Reduce, Reuse, Recycle)に関する技術開発事業、または環境負荷低減に関する技術開発事業
2. 高度な技術を利用した3R、または環境負荷低減施設の整備事業
3. 技術開発および高度技術施設に関する起業化のための調査事業
4. バイオ燃料認定研究開発事業
5. 小型家電リサイクル認定研究開発事業
6. プラスチック資源循環認定研究事業
6のプラスチック資源循環認定研究事業については、新たに施行されたプラスチック資源循環促進法に関連する事業も対象となります。ただし、詳細については事前に事務局と相談が必要です。さらに、産業活動やリサイクル事業から発生するエネルギー源を活用して地域の振興に貢献する地域循環共生事業も含まれます。
産業廃棄物処理事業振興財団は、廃棄物処理と環境保護に寄与する公益財団で、国や地方公共団体、産業界からの委託を受けて、廃棄物の適正処理や資源の循環利用を促進する活動を行っています。主な事業内容は、債務保証、助成、振興、適正処理推進の4つの領域にわたります。
債務保証では、優れた廃棄物処理施設の整備を支援し、金融機関からの借入を円滑に進めるための債務保証を提供しています。助成事業では、3Rの推進や環境負荷低減に向けた技術開発や処理業者の支援に対して助成金を支給しています。
振興事業では、優れた処理業者の育成や情報提供を通じて、産廃処理業界の成長を支援しており、適正処理推進事業ではPCB廃棄物の適正処理や不法投棄解消などに取り組んでいます。
また、産業廃棄物処理助成事業では、持続可能な循環型社会の構築を目指し、3Rに関する技術開発や環境負荷低減技術の開発、バイオ燃料認定研究開発などに対して助成を行っています。申請資格や対象となる事業には条件があり、事業の効果的な進展に向けたサポートが行われています。
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