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PCB廃棄物処理は要注意!ポリ塩化ビフェニルの法規制について | PCB処理 完全攻略ガイド

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PCB廃棄物処理は要注意!ポリ塩化ビフェニルの法規制について

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公開:2023.12.21 更新:2023.12.28

ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物には厳格な法規制が存在します。これには、PCB特別措置法、廃棄物処理法、化学物質規制法などが含まれ、PCBの製造、輸入、取り扱い、処分に関して詳細な規定が設けられています。これらの法令に従わないと罰則が科せられるため、PCB廃棄物の管理と適切な処理は極めて重要です。

ポリ塩化ビフェニル廃棄物の法規制はどうなっている?

ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物に関する法規制は、複数の法令に基づいて行われています。以下は、主な法令とその概要です。

◇PCB特別措置法

PCB特別措置法は、ポリ塩化ビフェニルおよびポリ塩化ビフェニル含有物の製造、輸入、取り扱い、処分に関する特別な措置を定めた法律です。この法令は1973年に制定され、PCBの環境への影響を最小限に抑えることを目的としています。

PCB廃棄物を所有する事業者は、毎年度、その保管及び処分の状況について都道府県知事(保健所を設置している市の場合は市長)に届け出る義務があります。この届出書は公に公表され、透明性を確保します。

期間内の処分については、事業者は平成39年3月31日までにPCB廃棄物を適切に処分するか、他者に委託する必要があります。期限を守らない場合、環境大臣又は都道府県知事から必要な措置を講ずべきという命令が出される可能性があります。

PCB特別措置法には罰則規定も含まれており、届出義務の無届出や虚偽の届出、期間内の不処理、譲渡・譲受け、承継の無届出・虚偽の届出に違反した場合、懲役や罰金が科される可能性があることに留意しましょう。この法律の遵守は、環境保全と健康への配慮が求められる重要な規制です。

◇廃棄物処理法

廃棄物処理法は、廃棄物の発生から処分までの一連のプロセスに関して規制を行う法律です。PCB廃棄物は危険な廃棄物に該当し、特に管理が厳格に行われています。

この法律においては、PCB廃棄物は特定の処理方法に従って処分される必要があり、処理業者は事前に許可を取得する必要があります。また廃棄物が発生している場所を管理している事業者は、廃棄物の発生を事前に報告する義務もあります。

◇化学物質規制法

化学物質規制法は、化学物質が環境や人の健康に与える悪影響を防ぐための法律です。この法律は、化学物質の製造、輸入、販売、使用においてさまざまな規制を設けられています。具体的には、特定の有害な化学物質に対しては製造や輸入前に事前に届け出や許可を得る必要があり、また使用や排出に対しては厳格な制限や基準が設けられています。

この法律では、製造業者や輸入業者に一定の情報提供義務を課し、これにより使用者や一般市民に対する情報公開が行われている点も特徴です。特定の化学物質については、その環境への影響や危険性について科学的な評価が行われ、それに基づいて適切な管理が行われます。

PCB廃棄物の処理の現状と課題とは?

画像出典:フォトAC

PCB廃棄物は有害性の強い産業廃棄物であるため、環境保護の観点から適切な廃棄が必要です。ここからは、PCB廃棄を推進する国内外のこれまでの取り組みの経緯についてご紹介します。

◇PCB廃棄物処理基本計画

PCB廃棄物処理基本計画は、ポリ塩化ビフェニル廃棄物に対する適切な処理を確保し、環境への悪影響を最小限に抑えるための計画です。PCB廃棄物は特定の処理方法が必要であり、この計画にはPCBの適切な処理方法や処分・管理に関する明確な役割分担、取り組みの方向性などが記載されています。

具体的には、「高濃度PCB廃棄物はJESCOで処理、低濃度PCBは国が認可した民間事業者で処理する」「低濃度PCB廃棄物は令和9年3月31日までに処分委託を行う」「保管事業者、所有事業者、処分業者、収集運搬業者、製造者、国、地方公共団体の役割分担を明確化」「最新の処理の見込み量などを毎年度公表する」などです。

◇政府の取り組み

PCB廃棄物の処理における日本の取り組みについて、時系列で解説します。

カネミ油症事件の発生(1968年)

カネミ油症事件は、廃油に混入していたポリ塩化ビフェニル(PCB)が原因で、多くの人が健康被害を起こした社会的事件です。この事件を契機に、PCBの取り扱いに対する重要性が認識され、日本のPCB廃棄物処理への取り組みが始まりました。

2.POPs 条約の締結(2004年)

2004年に、有害な化学物質の適切な管理を目指す「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs 条約)」が発効されました。日本は2002年にこの条約を締結しています。

3.JESCOによる処理体制の整備(2007年)

2001年にPCB特別措置法が施行後、日本環境安全事業株式会社(JESCO)によるPCB廃棄物の適切な処理体制の整備が推進されています。

4.ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画の改定 (2014年)

PCB廃棄物処理基本計画が改定され、JESCOの5つのPCB処理事業所ごとに、高濃度PCB廃棄物の計画的な処理完了期限が最長で令和7年とされました。

5.PCB特別措置法の改正(2016年)

PCB特別措置法の改正では、PCBの取り扱いに関する規制が強化されています。具体的には、「高濃度PCB廃棄物の処分の義務付け」「報告徴収・立入検査権限の強化」などです。

◇国際的な枠組み

PCBの規制に関する国際的な枠組みで、最も知られているのがPOPs条約です。POPs条約(ストックホルム条約)は、残留性有機汚染物質の管理を目的とした国際的な法的枠組みであり、2004年に発効されました。

この条約では、ポリ塩化ビフェニルを含む特定の有害な化学物質の製造、使用、取引を規制し、それによって環境と人間の健康を保護することを目指しています。

PCB含有物を適正に処理するためには?

PCB廃棄物をどのように処理すべきか悩んでいる事業者も多いのではないでしょうか。そこでPCB廃棄物の適切な処理のための、国内の取り組みや説明会についてご紹介します。

◇PCB含有電気工作物の処理推進

経産省では、PCB含有電気工作物の処理推進のための取り組みを積極的に実施しています。高濃度PCB廃棄物については、全国5カ所のJESCOの処理施設で処理が進められ、令和5年3月時点で処分が完了しています。

低濃度PCB廃棄物に関しては、無害化処理認定事業者を活用し、変圧器からのPCB除去手法や、電気機器の調査手法・処理の手引きが公表され、現在も適正な処理を進行中です。

◇説明会と情報提供

PCB廃棄物の期限内処理の促進を目指し、環境省と経済産業省は毎年、「PCB廃棄物の適正な処理に関する説明会」を開催しています。回を重ねるごとに内容が充実してきており、令和5年度は「低濃度PCB廃棄物について規制概要、調査・処理方法や発見事例等」の詳細な説明が行われました。

説明会は札幌、名古屋、大阪、広島、福岡、東京の各地で、さらにオンラインでも3回開催され、参加には制限がありません。令和6年度の説明会については、経済産業省のホームページの最新情報から確認してください。


PCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物には複数の法令に基づく厳格な法規制が存在します。主な法令としてPCB特別措置法、廃棄物処理法、化学物質規制法が挙げられ、それぞれでPCBの製造、輸入、取り扱い、処分に関する規制が定められています。

特にPCB特別措置法では、PCB廃棄物を所有する事業者には毎年の届け出義務が課せられ、適切な処分が義務付けられています。違反時には罰則も適用されます。また、国際的な枠組みとしてはPOPs条約が存在し、有害な化学物質の管理を目的としています。日本はこの条約を締結しています。

PCB廃棄物の処理に関する取り組みの歴史を振り返ると、カネメ油症事件やPOPs条約の締結、JESCOによる処理体制整備、PCB特別措置法の改正などがあり、PCB廃棄物の適正な処理が進められてきました。国内外での規制を遵守し、PCB含有物の適切な処理が求められています。

PCB廃棄物の処理推進に向けた国内の取り組みでは、高濃度PCB廃棄物と低濃度PCB廃棄物に対する異なるアプローチが取られており、無害化処理認定事業者の活用や説明会・情報提供などが行われています。これらの取り組みを通じて、PCB廃棄物の適正な処理と環境保護が促進され、健康へのリスクが最小限に抑えられることが目指されています。

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