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産業廃棄物の処理の流れとPCB廃棄物管理をする際に必要な資格 | PCB処理 完全攻略ガイド

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産業廃棄物の処理の流れとPCB廃棄物管理をする際に必要な資格

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公開:2024.02.22 更新:2024.02.22

産業廃棄物の処理は、複数の段階を経て行われます。まず、分別と保管、収集と運搬、中間処理、再生処理、最終処分の流れがあります。また、特別管理産業廃棄物であるPCB廃棄物を管理するには、PCB廃棄物管理責任者の選任が必要です。この責任者は、正確な排出状況の把握や適切な処分計画の策定を担います。

産業廃棄物の基本~種類・処理について

事業活動によって発生する「産業廃棄物」は21種類に分類されます。産業廃棄物には危険性や毒性を持つ「特別管理産業廃棄物」が含まれるため、取り扱いには注意が必要です。また産業廃棄物は一般廃棄物とは異なり、処理をするには分別と保管、収集と運搬、中間処理、再生処理と最終処分という複数のフェーズを経て処理されます。

◇産業廃棄物とは

産業廃棄物とは廃棄物処理法で定義された廃棄物であり、企業や工場などが事業活動を行うことで発生したものを示します。そして産業廃棄物は焼却残灰や石炭火力発電所から発生する石炭がらなどの「燃えがら」、合成樹脂くずや合成繊維くずなどの「廃プラスチック類」、潤滑油や洗浄用油などの「廃油」など21種類に分類されています。

◇産業廃棄物の種類

産業廃棄物は、その性質や発生源によって以下のように分類されます。

あらゆる業種から排出される物

燃えがら:石炭がら、灰カス、焼却残灰など
汚泥:工場廃水処理後の泥状物や製造工程での泥
廃油:潤滑油や切削油、洗浄油など
廃酸:無機酸や有機酸、酸性廃液
廃アルカリ:アルカリ性廃液や洗浄用アルカリ
廃プラスチック類:合成高分子系化合物からなるプラスチック類
ゴムくず:天然ゴムや合成ゴムからなるくず
金属くず:鉄くずや銅線くず、アルミニウムくずなど
ガラスくず、コンクリートくず、陶磁器くず:ガラス製品やコンクリート、陶磁器から生じる廃棄物
鉱さい:金属の製錬や精錬、溶解から生じる残渣や粉塵
がれき類:工作物の建設や解体に伴う廃材や瓦礫、コンクリート破片など
ばいじん:燃焼施設や集じん施設で集められたダストや粉塵

業種が限定されるもの

紙くず:建設業、パルプ・紙製造業、出版業などで発生する紙くず
木くず:建設業、木材・木製品製造業、パルプ製造業などからの木くず
繊維くず:建設業、繊維工業などからの繊維くず

その他

動植物性残さ:食品製造業や医薬品製造業での動植物性の不要物
動物系固形不要物:食肉処理場や鳥肉処理場からの固形の不要物
動物のふん尿:畜産農業に関連する動物のふん尿
動物の死体:畜産農業に関連する動物の死体¥
法施行令第2条第13号に規定する産業廃棄物:特定の条件下で処理される廃棄物

また、産業廃棄物の中には、爆発の危険性や人体への影響がある毒性によって危険を及ぼすものについて「特別管理産業廃棄物」として指定されているものがあります。身近な特別管理産業廃棄物の例としては、医療現場から発生する感染リスクのある廃棄物があげられるでしょう。

PCB廃棄物は、特別管理産業廃棄物の中でも「特定有害産業廃棄物」に指定され、より厳しい管理や処理が必要となります。

◇産業廃棄物の基本的な処理の流れ

産業廃棄物の基本的な処理は、分別と保管、収集と運搬、中間処理、再生処理と最終処分という流れで進んでいきます。まず産業廃棄物を発生させる排出事業者は、産業廃棄物の種類によって正確に分別をし、適切に保管を行います。


その後、保管された産業廃棄物は収集運搬業者によって収集、運搬され、処理業者へと引き渡されます。そして処理業者が産業廃棄物の種類に合わせて適切な中間処理を行い、再生処理もしくは最終処分を行うことで、産業廃棄物は安全性を保って正しく処理されるのです。


このように産業廃棄物の処理には排出事業者だけでなく、収集運搬業者や処理業者といった複数の業者が関わることになります。そのため各業者が産業廃棄物を適切に取り扱うことが安全な処理に繋がると言えるでしょう。

産業廃棄物の処理に関する資格と許可

画像出典先:フォトAC

産業廃棄物の処理には廃棄物処理施設技術管理者の設置や、産業廃棄物収集運搬業及び産業廃棄物処分業の許可が必要となります。

◇廃棄物処理施設技術管理者

廃棄物処理施設技術管理者は一般廃棄物や産業廃棄物の処理施設で設置する義務のある資格です。廃棄物処理施設技術管理者には、処理施設において運転や点検、維持管理などが関係法令を守りながら適切に実施されているかを監督することが求められます。

そして監督する上では必要に応じて、処理施設設置者に対する改善事項などの意見をしなければなりません。そんな廃棄物処理施設技術管理者の選任要件は、化学部門・上下水道部門・衛生工学部門の技術士や環境衛生指導員、大学の理学・薬学・工学・農学課程で衛生工学または化学工学を修了した者で2年以上の実務経験があるなど、経歴と実務経験が求められます。


またこれらの選任要件を満たしていない場合には、一般財団法人日本環境衛生センターが主催する講習会を修了し、試験に合格することで同等の資格を有していると認められ廃棄物処理施設技術管理者となることが可能となります。

◇産業廃棄物収集運搬業

産業廃棄物は排出事業者から委託を受けた産業廃棄物収集運搬業者が回収し、処理施設まで運搬をすることとなります。この時に産業廃棄物収集運搬業者は積み込んだ地域と積み下ろした地域の都道府県や政令都市などからの許可を得た上で、収集運搬の基準に従った回収、運搬を行わなければなりません。


産業廃棄物収集運搬業の許可を得るためには、施設に係る基準と申請者の能力に係る基準を満たす必要があります。施設にかかる基準では施設の安全性を確認するものであり、産業廃棄物の飛散や悪臭、流出の恐れがなく、収集運搬に使われる車両や容器が業務に適切であるかが求められています。


また申請者の能力に係る基準では、業者自体の信頼性が問われており、運用を行う上での経済的基盤を有するか、産業廃棄物の取扱について十分な知識や技術を有するか、欠格要件に該当しないかなどが求められます。

◇産業廃棄物処分業

収集運搬業者から運搬された産業廃棄物は産業廃棄物処分業者によって中間処理された後、リサイクルされるものと分別がなされ、最終的には埋め立てや海面投入によって処分されます。
このような産業廃棄物処分業を行うためには、都道府県・政令都市などから許可を得て、許可番号や有効期限、事業範囲や処理設備について記載された許可証の発行を受けなければなりません。

産業廃棄物処分業の許可を得るには、JWセンター主催が主催する産業廃棄物処分課程を受講し修了試験に合格する必要があります。また産業廃棄物処分業の許可を得るには欠格要件に該当しないことが条件となります。

PCB廃棄物管理をする際に必要な資格

特別管理産業廃棄物であるPCB廃棄物を排出している事業者は廃棄物処理法によって、特別管理産業廃棄物管理責任者を選任することが義務付けられています。

◇特別管理産業廃棄物管理責任者の役割

特別管理産業廃棄物管理責任者にはPCB廃棄物の種類や量など、排出状況を正確に把握した上で処分計画を明確化することが求められます。またPCB廃棄物の保管状況を常に把握し、適切な委託業者の選定やマニフェストの交付、保存についても行う必要があります。

◇特別管理産業廃棄物管理責任者になるための条件と取得方法

特別管理産業廃棄物管理責任者には、2年以上の実務経験を有する環境衛生指導員や、大学の理学・薬学・工学・農学課程で衛生工学・化学工学を修了した者で廃棄物処理に係る実務経験を2年以上有する者などが選任されます。

またこれらの選任要件を満たさない場合、JWセンターが主催する講習会を修了し、試験に合格することで特別管理産業廃棄物管理責任者の取得が可能となります。


産業廃棄物は企業や工場などの事業活動によって発生し、その性質や発生源に応じて21種類に分類されます。特に、危険性や毒性を持つ特別管理産業廃棄物は、処理や取り扱いに高度な注意が必要です。これらの廃棄物は、一般廃棄物と異なり、処理には分別と保管、収集と運搬、中間処理、再生処理、最終処分といった複数の段階が必要です。

産業廃棄物の適切な処理には、廃棄物処理施設技術管理者や産業廃棄物収集運搬業・処分業の許可が不可欠です。特に、PCB廃棄物を管理する際には、PCB廃棄物管理責任者の選任が法律で義務付けられています。

この責任者は、PCB廃棄物の排出状況を正確に把握し、適切な処分計画を立案する役割を担います。 資格取得には、一般的に実務経験や特定の講習修了などの要件があります。産業廃棄物の処理には、排出事業者や収集運搬業者、処理業者など、複数の関係者が関わるため、各段階での適切な取り扱いが安全な処理につながります。

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