低濃度のPCB廃棄物は、通常は濃度を確認して処理しますが、「みなし処理」では濃度確認を省略し、適切な保管と自治体への報告が必要です。特定の機器や製造年に基づいて適用され、手続きや保管方法が決まります。
専門業者による収集や運搬、環境大臣の認定を受けた無害化処理認定事業者での処分、または都道府県・政令市から低濃度PCB廃棄物の処分業許可を受けた施設での処分が必要で、保管にも基準があります。
その機器、みなし処理の対象かもしれません。封じ切り機器や1990年以前製造の条件・手続きを完全ガイドで詳しく確認する
PCB処理対象物の判別方法・処理手順・処理業者 | PCB処理 完全攻略ガイド
目次
低濃度PCB廃棄物のみなし処理とは?

本来、PCB廃棄物はPCB濃度を確認してから処分を行いますが、PCB濃度を確認せずに低濃度PCBを含有しているとみなして処理することも可能です。みなし処理を行う場合は、廃棄物を適正に保管し、毎年6月30日までに自治体に報告する必要があります。みなし処理は、分析の省略とコスト削減ができるのがメリットです。
◇低濃度PCB廃棄物とみなした処理
PCB濃度を確認せずに、低濃度PCBを含有しているとみなして処理することを、みなし処理といいます。
絶縁油封じ切り機器や絶縁油の封入量が少ない小型変圧器などについて、銘板情報などから高濃度PCB使用機器ではないことが明らかな場合は、PCB濃度を分析せずに低濃度PCB廃棄物とみなして処理できる場合があります。
PCB廃棄物として保管する場合は適正に保管し、保管および処分の状況について、保管場所を管轄する都道府県知事または政令で定める市長へ毎年度届け出ることが必要です。。
◇本来は絶縁油で濃度を調査
PCB含有電気工作物は、適正な保管および処理が必要で、本来は絶縁油で濃度を調査してから処理を行います。参考までに、変圧器やコンデンサに使用されている絶縁油を処理する流れを、ご紹介します。
まずはPCB混入の可能性の有無を確認するために、絶縁油の濃度を調査します。調査方法は、定量分析法と迅速判定法のふたつです。0.5mg/kgを超えるPCBが検出された場合は、PCB廃棄物と判定します。みなし処理の場合はこの分析を行わないため、分析をする手間が省け、分析にかかる費用もかかりません。
低濃度PCB廃棄物のみなし処理が認められるケースとは?
低濃度PCB廃棄物のみなし処理は、絶縁油を採取するための構造を持たない封じ切り機器や、絶縁油の封入量が少量である小型変圧器などについて、一定の条件を満たす場合に認められています。その条件について、以下で詳しく解説します。
◇封じ切りのコンデンサなど
絶縁油の採取口が設けられていない封じ切り機器は、絶縁油を採取するためには穴を開けなくてはいけません。しかし、穴を開けると使用不可となるため、PCB汚染の疑いがある機器としてみなし処理が認められています。
みなし処理で処理することを予定していても、管轄する自治体への届出は必要です。なお、使用を終えて廃止した自家用電気工作物を再び接続することは、電気事業法により禁止されています。
◇封じ切り機器や小型変圧器
製造年などからPCB汚染が疑われる機器であっても、以下の場合はPCB濃度の分析値がなくても低濃度PCB廃棄物とみなして処理できる可能性があります。
・銘板情報などから高濃度PCB使用機器ではないことが明らかな絶縁油封じ切り機器
・絶縁油の封入量が少量である小型変圧器
なお、PCB汚染の可能性がある製造時期の目安は機器によって異なり、絶縁油の交換ができる変圧器などは1993年以前、絶縁油封じ切り機器は1990年以前に製造されたものが確認対象とされています。
銘板情報やメーカーの公表情報なども確認したうえで判断することが重要です。

◇低濃度PCB汚染の可能性がある代表的な機器類
低濃度PCB廃棄物のみなし処理が認められる場合について説明します。まず、PCB汚染の可能性がある機器を特定することが重要です。
低濃度PCB廃棄物には、PCB濃度が0.5mg/kgを超え5,000mg/kg以下のPCB汚染物などが該当します。機器の種類や構造によって確認方法が異なるため、銘板情報や製造年、メーカーの公表情報などを確認して判断する必要があります。
低濃度PCB廃棄物が発生する可能性のある代表的な機器としては、変圧器やコンデンサに加えて、安定器や電力用ケーブルも挙げられます。ただし、PCBを使用した古い安定器は高濃度PCB廃棄物に該当する場合があるため、低濃度PCB廃棄物と自己判断して処理することはできません。このような安定器は、特に古い建物や施設に多く使用されており、廃棄時には適切な確認が必要です。
また、電力用ケーブルも低濃度PCB廃棄物となる可能性があります。低濃度PCB汚染は、絶縁油などの製造・流通・使用過程で意図せずPCBが混入したことなどによって生じたものとされています。
そのため、PCB汚染の可能性があるケーブルについても、製造時期や使用されている絶縁油などを確認し、適切な対応が必要です。
なお、これらの機器を処分する際は、原則としてPCB濃度を確認し、濃度区分に応じて適切に処理します。
なお、こうした機器についても、銘板情報などで高濃度PCB使用機器でないと確認できれば、PCB濃度の分析を省略して低濃度PCB廃棄物として処理できるケースがあります。
対象となるか判断が難しい場合は、専門業者などに確認したうえで適切に処理しましょう。
低濃度PCB廃棄物の処理手続き
低濃度PCB廃棄物を安全にかつスムーズに処理をするためには、処理フローを自前に確認しておくことが大切です。低濃度PCB廃棄物を処理するためには、都道府県知事または政令で定める市長に届出をします。使用中の電気機器が低濃度PCB含有電気工作物に該当することが判明した場合も、管轄する産業保安監督部に届出を行わなくてはいけません。届出には、経産省が定める様式が必要です。
◇低濃度PCB廃棄物の処理フロー
PCB廃棄物の処理フローは、下記のとおりです。

届出を行う
保管と処分の状況について、毎年6月末までに都道府県知事(または政令で定める市長)に届出を行います。届出様式は、都道府県のホームページまたは環境省のホームページから入手することが可能です。
適正に保管する
処分するまでの期間、PCB廃棄物を適正に保管・管理しなければなりません。PCB廃棄物にはPCB廃棄物であることを示すラベルの貼り、PCBが漏洩した際は処置も必要です。PCB廃棄物を保管する事業者は、各事業場に資格要件を満たした特別管理産業廃棄物管理責任者を配置します。
収集・運搬
PCB廃棄物の収集運搬業許可を取得している業者に、収集・運搬を委託します。搬出の際は立会いが必要です。
無害化処理事業者への処理委託
無害化処理事業者は、環境省の認定を受け、PCB廃棄物の無害化に特化した設備や技術を備えた専門業者です。これらの事業者は、高温焼却や化学分解などの高度な処理手法を用いて、廃棄物中のPCBを分解し、環境や人体への影響を最小限に抑える処理を行います。
低濃度PCB廃棄物を処理する際には、事業者の認定状況や処理可能な廃棄物の種類などを確認することが重要です。適切な許可・認定を受けた事業者に委託することで、法令に沿った処理を進めることができます。
ただし、産業廃棄物の処理を専門業者に委託した場合でも、排出事業者の処理責任がなくなるわけではありません。排出事業者は適切な委託先を選定し、マニフェストなどを通じて処理状況を確認する必要があります。
処理を委託したPCB廃棄物については、産業廃棄物管理票(マニフェスト)などを通じて、収集運搬や処分の状況を確認します。
紙マニフェストを使用する場合、排出事業者は処理終了後に送付されるマニフェストの写しで処理状況を確認し、法令に基づいて保存することが必要です。
なお、処理事業者によっては独自の処理証明書などを発行している場合がありますが、書類の名称や発行の有無は事業者によって異なります。
PCB廃棄物を適正に処理し、その状況を確認・管理することは、法令遵守や環境保全の観点から重要です。
処分
低濃度PCB廃棄物は、環境大臣認定の無害化処理認定施設や都道府県市長許可施設で処分します。
◇必要書類
PCB含有電気工作物に関して、2001年(平成13年)7月にPCB特措法が施行されたことを受けて、同年10月に報告規則を改正し、PCB含有電気工作物に関する届出制度を導入されました。
使用中の電気機器が低濃度PCB含有電気工作物に該当することが確認された場合は、電気事業法の電気関係報告規則に基づき、該当する場所を管轄する産業保安監督部に速やかに届け出る必要があります。
低濃度PCB含有電気工作物の届出には、経産省が定める様式を使用します。設置者の氏名や住所の変更、事業場の名称や所在地の変更、機器の廃止、または事故が発生した場合も同様に、届出が必要です。
低濃度PCB廃棄物の保管と処理方法
低濃度PCBの収集運搬、処理は、許可を得た専門業者に依頼します。専門業者が収集に来るまでは、保管基準を守り適切に保管しておくことも重要です。
◇PCBの含有を確認
低濃度PCB廃棄物の保管と処理を適切に行うための第一歩は、PCBの含有を確認することです。PCBの確認作業は、廃棄物の性質を正確に把握し、その後の適切な処理方法を選択するために不可欠です。PCBはその有害性から、環境汚染防止のために厳格な規制が適用されています。そのため、PCBの含有を見落とすことは、法律違反や環境リスクに直結する可能性があるため、慎重な確認が必要です。
PCBの含有確認は、専門的な検査を通じて行います。まず、廃棄物がPCBを含んでいる可能性があるかを確認します。特に、古い変圧器やコンデンサ、安定器などは、PCBを含んでいる可能性が高い機器です。次に、これらの機器から試料を採取し、専門の分析機関に依頼してPCB濃度を測定します。
PCB濃度の分析では、その濃度が法令で定められた基準値を超えているかどうかが判定されます。検査の結果、PCBが含まれていると確認された場合、廃棄物は「低濃度PCB廃棄物」または「高濃度PCB廃棄物」に分類されます。低濃度PCB廃棄物と判定された場合でも、法的規制に基づいて厳密な保管と処理が求められます。
PCBの含有確認は、単なる廃棄物管理にとどまらず、環境保全や法令遵守の観点からも極めて重要な作業です。確認作業を怠ると、不適切な廃棄物処理による環境汚染や、法的責任を追及されることなど、深刻な問題を引き起こす可能性があります。そのため、企業や自治体は、PCBの含有確認を徹底し、適切な対応を行う必要があります。
◇専門業者へ処理・収集運搬を依頼
低濃度PCB廃棄物の処理は、環境大臣の認定を受けた無害化処理認定事業者、または都道府県・政令市から低濃度PCB廃棄物の処分業許可を受けた事業者に委託します。
環境省が公表している無害化処理認定施設などを確認し、対象となる廃棄物を処理できる事業者を選定しましょう。
収集運搬についても、PCB廃棄物の種類や搬入する処理施設に対応した許可を持つ収集運搬事業者への委託が必要です。
処理事業者によって受け入れ可能な廃棄物や収集運搬の条件が異なるため、処分先を決めたうえで、対応可能な収集運搬事業者を確認することが重要です。
◇収集運搬までは適切に保管
専門業者が収集に来るまでは、低濃度PCB廃棄物を廃棄物処理法施行規則第8条の13で定める保管基準に従って保管しなくてはいけません。保管基準は以下のとおりです。
・周囲に囲いがある場所を選ぶ
・見やすいところに掲示板を設置する
・飛散、流出、地下浸透、悪臭発散を防止するための措置を講じる
・他の物質が混入しないように仕切りを設けるなどの措置を講じる
・容器に入れて密封するなど、揮発を防止するために必要な措置を講じる
・高温にさらされないように必要な措置を講じる
・腐食を防止するために必要な措置を講じる。
・保管施設ごとに特別管理産業廃棄物管理責任者を配置する

◇適正な処理のための委託先選定
| 委託内容 | 委託先 | 確認するポイント |
| 収集・運搬 | PCB廃棄物に対応する収集運搬事業者 | 必要な許可の有無、搬入する処理施設への対応、対象廃棄物への対応 |
| 処分 | 環境大臣認定の無害化処理認定事業者 | 認定内容、処理可能な廃棄物の種類 |
| 処分 | 都道府県・政令市の許可を受けた処分事業者 | 許可内容、処理可能な廃棄物の種類 |
| 収集運搬+処分 | 一括対応可能な事業者 | 両工程への対応可否、対象廃棄物・処理施設への対応 |
収集運搬の委託
低濃度PCB廃棄物の運搬は、都道府県または政令市の許可を受けた収集運搬業者に委託する必要があります。また、一部の無害化処理認定事業者では、収集運搬と処分を一括で対応している場合もあるため、依頼の際には事前に確認することが重要です。
無害化処理事業者への処理委託
低濃度PCB廃棄物は、環境大臣の認定を受けた無害化処理認定業者、または都道府県・政令市の許可を得た民間処理業者に委託して適正に処理します。
ただし、事業者によって処理可能な廃棄物の種類が異なるため、廃電気機器などの処理を依頼する際は、対応可能かどうか事前に確認することが重要です。適正な処理を行うためにも、信頼できる事業者への委託が不可欠です。
みなし処理の対象か判断に迷う場合のチェックリスト
自社の機器がみなし処理の対象になるかどうかは、専門知識がないと判断が難しいケースが多くあります。ここでは、これまでご紹介した条件をもとに、簡易的に確認できるチェックポイントを整理しました。
- 対象機器が封じ切り構造で、絶縁油の採取口が設けられていないか
- 機器が1990年(平成2年)以前に製造されたものか
- 銘板情報などから高濃度PCBに該当しないことが確認できるか
- 使用中の機器、または廃止済みで再接続していない機器か
- 保管基準に沿った適正な保管ができているか
上記のいずれかに当てはまらない、または判断に迷う項目がある場合は、自己判断で処理を進めず、専門業者への相談を検討することをおすすめします。
◇型式・製造年からの簡易判定ステップ
まずは、対象機器の型式や製造年を確認しましょう。銘板に記載された製造年が1990年以前であり、かつ封じ切り構造で絶縁油の採取口がない場合は、みなし処理の対象となる可能性があります。
ただし、銘板情報だけでは高濃度PCB機器との判別が難しいケースもあります。型式番号から製造メーカーの公表資料を確認する、または過去の点検記録を照合するなど、複数の情報源を組み合わせて確認することが重要です。
判定に不安がある場合は、次のステップとして現地調査を検討しましょう。

◇判定が難しい場合は現地調査がおすすめ
銘板情報や書類だけでは判断がつかない場合、または機器が古く型式が不明な場合は、専門業者による現地調査を依頼するのが確実です。
現地調査では、機器の設置状況や劣化状態を直接確認したうえで、みなし処理の対象となるかどうかを専門的な視点から判断してもらえます。
自己判断で処理を進めてしまうと、後から高濃度PCBであることが判明した場合に、保管・処理方法の見直しが必要になるリスクも否めません。判断に迷う場合は、早い段階で専門業者に相談することが、結果的に手間とコストの削減につながります。
みなし処理の対象かどうか、豊富な実績をもつ専門業者に確認してもらう
PCB処理に対応している丸両自動車運送を紹介

引用元:丸両自動車運送株式会社公式HP
| 会社名 | 丸両自動車運送株式会社 |
| 所在地 | 〒424-0036 静岡県静岡市清水区横砂西町10-6 |
| 電話番号 | 0120-131-266 |
| 公式サイトURL | https://maruryou.jp/ |
PCB廃棄物の処理には、専門的な知識と厳格な基準が求められます。丸両自動車運送は、全国対応の収集運搬体制を整え、高濃度・低濃度PCB廃棄物の適正処理をサポートする運送業者です。
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また、専用車両の定期点検や作業従事者への安全教育を強化し、事故の未然防止にも努めています。
◇豊富なPCB廃棄物処理実績
全国の多種多様なPCB廃棄物に対応し、特別管理産業廃棄物を含むさまざまな産業廃棄物の収集・運搬を行ってきました。各地の処分施設と密接に連携し、常に最新の情報を共有することで、適正かつコストを抑えた処理方法を提案することが可能です。
特に、「他社では対応が難しいと断られた」「古くて種類が分からない」といった廃棄物にも柔軟に対応できます。長年の経験と専門知識を活かし、安全かつスムーズな処理をサポートが可能です。
◇専門資格を持つ作業従事者による安全な対応
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低濃度のPCB廃棄物は、通常はPCBの濃度を確認してから処理されますが、特定の条件下ではPCB濃度を確認せずに処理できる「みなし処理」が認められています。この場合、適切な保管と自治体への定期的な報告が必要で、省力化とコスト削減がメリットです。
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まとめ
低濃度PCB廃棄物の「みなし処理」は、封じ切りのコンデンサや1990年以前に製造された封じ切り機器・小型変圧器など、対象が限定されている制度です。適用にあたっては、PCB濃度の分析を省略できる一方で、適正な保管と自治体への毎年の届出が欠かせません。
処理の際は、環境大臣認定の無害化処理認定事業者や、都道府県知事・政令市の許可を受けた収集運搬業者への委託が必要になります。
対象機器かどうかの判断に迷う場合は、型式・製造年からの簡易判定を行ったうえで、必要に応じて専門業者による現地調査を依頼することで、安全かつ適正な処理につなげることができます。
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