PCB漏洩により土壌汚染の可能性も?土壌汚染調査が必要な場合と汚染土壌の処理方法 | PCB処理 完全攻略ガイド
PCB(ポリ塩化ビフェニル)処理
PCB漏洩により土壌汚染の可能性も?土壌汚染調査が必要な場合と汚染土壌の処理方法
公開:2024.05.25 更新:2024.05.25東京では過去の製品や排水からの漏出、雨水による溶解が主な原因で、高濃度のPCBやダイオキシンによる土壌汚染が問題視されています。この汚染は長期間影響を及ぼし、速やかな処理が必要です。PCB汚染は土壌中に侵入し、雨水によって周囲の土壌に広がります。
直接接触や間接摂取がPCBを人体に取り込む経路であり、土壌汚染対策法に基づき、土壌調査や適切な処理が化学処理やバイオオーグメンテーション、汚染土壌浄化施設などの方法で行われます。
目次
PCBによる土壌汚染の可能性と原因
東京では、高濃度のPCBやダイオキシンによる土壌汚染が起こっています。主な原因は、過去の製品や排水から漏れ出したり、雨によって土地に溶け出したりしたことが考えられます。一度土壌が汚染されると長期間悪影響を及ぼすため、速やかな適正処理が重要です。
◇PCBによる土壌汚染の可能性
近年、東京では高濃度のPCBやダイオキシンによる土壌汚染が判明し、大きな問題となっています。PCBによる土壌汚染は、PCB産業廃棄物からPCBが環境中に漏出したことが主な原因です。
雨水や地下水の影響による土壌中のPCBの挙動試験を実施したところ、添加したPCBのごく少量が土壌から周辺土壌へ移行することが確認されました。
性状の異なる土壌と2種類のカラムを用いた通水試験では、いずれも塩素数の少ない同族体のほうがより移行しやすいことも判明しています。この実験により、全国各地のPCB廃棄物を保管している場所においても、土壌汚染が発生する可能性があると考えられます。
◇PCBによる土壌汚染の原因
PCBは、土に混ざるとその周囲の土壌を汚染します。例えば、処理場や保管場所から漏洩したり、PCBを含む排水が漏れたり、PCBを含む廃棄物が土に埋められたりすると、雨によってPCBが周囲の土に溶け出し土壌汚染が引き起こされます。土壌汚染は目視できないため、一度汚染されてしまうと長期間にわたり悪影響を及ぼすため、早期の適正処理が必要です。
PCBによる土壌汚染の危険性
土壌汚染が生じると、PCBが人体に取りこまれ健康被害のリスクが高まります。人体に取りこまれる経緯は、直接摂取と間接摂取のふたつです。PCBが人体に取りこまれると、吹き出物、皮膚の色素沈着、目やに、全身倦怠感などの症状が発生します。
◇土壌汚染が人体へ取りこまれる経路
直接摂取と間接摂取の違いは、以下のとおりです。
直接摂取
汚染された土壌に直接接触したり、汚染土壌が飛散したり、または汚染土壌中の有害物質が揮発して口や鼻から人体に入ることによって、人体へ取り込まれます。具体的には、土を食べたり吸い込んだりすることや、皮膚から吸収されることが考えられます。
間接摂取
汚染された土地に雨が降ると、土壌中の有害物質が地下水に流れ込みます。その地下水を飲んだり、汚染された土壌で育った農作物や家畜を摂取したりすることで人体に取りいれることが、間接摂取です。
◇土壌汚染のリスクと人体への影響
土壌汚染が原因で、PCBを体内に取りこみ続けると、健康状態が悪化します。具体的な症状は、吹き出物、皮膚の色素沈着、目やに、全身倦怠感、しびれ、食欲不振などです。
PCBが引き起こした事件としては、1968年(昭和43年)のカネミ油症事件がよく知られています。食用油の製造過程で熱媒体として使用されたPCBが混入し、1万4,000人以上の人が被害に遭いました。被害者のなかには、現在でも症状が続いている人がいます。
PCBを適切に処理しないで焼却すると、大量のダイオキシンが環境中に発生することも分かっています。環境と人々の健康を守るためには、PCBを法が定める適切な方法で処理することも重要です。
土壌汚染対策法に基づいて調査や措置が必要
水質汚濁防止法で規定する特定施設を廃止したり、環境省令で定める規模以上の土地面積を形質変更したりする場合などには、土壌汚染対策法に基づき土壌調査と報告が求められます。
土壌汚染対策法は、土壌汚染の状況を把握し、人々の健康被害を防ぐための対策を講じることを目的に制定された法律です。土壌調査と措置は、土壌汚染対策法に基づいて行います。
◇土壌汚染調査が求められるケース
土壌汚染対策法に基づき、土壌汚染調査および報告が求められることもあります。調査と報告が必要となるケースは、以下の4つです。
・水質汚濁防止法で規定する特定施設を廃止する場合
・環境省令で定める規模以上の土地面積を形質変更する場合
・事前届出により都道府県知事が調査を必要と判断した場合
・土壌汚染によって健康被害の可能性があると都道府県知事が判断した場合
◇土壌汚染対策法について
有害物質による土壌汚染の事例が増加しており、土壌汚染による健康影響や対策の必要性が高まっています。この状況を受けて、国民の安全と安心を確保するために、制定されたのが土壌汚染対策法です。
同法は2002年(平成14年)5月22日に成立し、同月29日に公布されました。土壌汚染対策法では、要措置区域と形質変更時要届出区域が指定されています。それぞれの違いは以下のとおりです。
要措置区域:汚染の摂取経路が存在し、健康被害が生じるおそれがある区域で、汚染除去などの措置と報告が必要です。
形質変更時要届出区域:汚染の摂取経路がなく、健康被害が生じるおそれがない区域で、特に対応措置は求められません。
PCBに汚染された土壌の処理
土壌調査によってPCBによる汚染が確認された場合は、土壌汚染対策法に従い適切な処理を行わなくてはいけません。土壌処理の方法には、化学処理、バイオオーグメンテーション、汚染土壌浄化施設の3つがあります。
◇化学処理
PCB汚染土壌には、アルカリ触媒分解処理が適用されます。これにより、PCBを分解除去し、無害化することが可能です。処理にかかる時間は比較的短期間ですが、処理条件によっては有害物質の生成や溶出が起こる可能性があるため、適切な薬剤の選択と条件の管理が求められます。
◇バイオオーグメンテーション
微生物などの働きを利用して、土壌や地下水などの汚染物質を分解し、環境を改善する手法です。この技術は、PCBに汚染された土壌だけでなく、石油系炭化水素、炭化水素系溶剤、殺虫剤などで汚染された土壌にも採用されます。
◇汚染土壌浄化施設
汚染土壌の特定有害物質を除去するための処理を行う施設のことです。土壌中の特定有害物質を抽出または分解除去し、土壌が土壌溶出量基準および土壌含有量基準に適合するようにします。
東京では高濃度のPCBやダイオキシンによる土壌汚染が問題視されており、過去の製品や排水からの漏出、雨水による溶解が主な原因とされます。この汚染は長期間影響を及ぼし、速やかな処理が必要です。PCB汚染は土壌中に侵入し、雨水によって周囲の土壌に溶け出します。
PCBが人体に取り込まれる経路は、直接接触や間接摂取があります。土壌汚染対策法に基づき、土壌調査や適切な処理が必要であり、化学処理やバイオオーグメンテーション、汚染土壌浄化施設などの方法が用いられます。
得意分野で選ぶPCB処理業者 おすすめ3選
PCB廃棄物処理の
実績なら
丸両自動車運送
得意分野
・産廃コンサル
・収集運搬の許可を全国で保有
・コストの削減が可能
・約5,000件以上のPCB廃棄物処理の実績
低濃度PCBの
処理なら
太洋サービス
得意分野
・低濃度PCBやPFOS、廃棄物を適正に処理
・VOC排ガス処理装置GASTAKの取り扱いが可能
低濃度・改定低濃度
PCBの処理なら
クレハ環境
得意分野
・高度な技術と多彩なノウハウで廃棄物を的確に処理
・地域未来牽引企業として経済産業省より選定