微量PCBの廃棄には分析が必要!分析可能な業者の調べ方と分析技術 | PCB処理 完全攻略ガイド
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微量PCBの廃棄には分析が必要!分析可能な業者の調べ方と分析技術
公開:2024.06.27 更新:2024.06.27微量PCBを含む電気機器の廃棄には、専門機関によるPCB分析が不可欠です。適切な分析を行うためには、信頼性のある業者を選定することが重要です。日本電機工業会や日本環境測定分析協会のウェブサイトで、PCB分析を実施する業者を調査しましょう。適切な業者と技術を選ぶことで、安全かつ効率的な微量PCBの廃棄処理が可能になります。
目次
意図しない混入~微量PCBとは?
かつて電気機器の絶縁油として広く使用されていたPCB(ポリ塩化ビフェニル)は、高い毒性を持つ化学物質として知られています。1970年代後半から使用が禁止されていますが、製造過程や廃棄処理の不備により、PCBが意図せず混入した電気機器が存在することが問題になっています。
◇微量PCBとは
微量PCBとは、元々PCBを含まないはずの電気機器に、製造や廃棄処理の際に誤って混入したPCBのことです。これは2002年になって初めて発見され、1965年以降に製造された製品でも微量のPCBが見つかることがあります。
微量PCBは濃度が0.5mg/kgを超えて5,000mg/kg以下の範囲に含まれます。このような微量のPCBが混入している場合、適切な処理が必要であり、専門家の指導の下で適切に管理する必要があります。
◇微量PCBの種類
微量PCBにはいくつか種類があり、次の3つに分けられます。
・微量PCB汚染物
微量PCB汚染絶縁油が塗られており、染み込み・付着・封入されている廃棄物のことです。
・微量PCB汚染絶縁油
廃ポリ塩化ビフェニルなどの中でも、電気機器やOFケーブルに使用された絶縁油で微量のPCBに汚染された廃棄物のことをいいます。
・微量PCB処理物
微量のPCBに汚染された廃棄物を処分する際に処理したもののことです。
微量PCB混入機器の取り扱いについて
画像出典:カネカテクノリサーチ
微量PCBで汚染されているかどうかは調査するまでは分かりません。PCBは人体や環境に悪影響を及ぼすものであるため、該当機器の取り扱いや保管には注意が必要です。
◇使用中の微量PCB混入機器
微量PCBの混入が否定できないもので使用中の場合は、引き続きそのまま使用できます。ただし、混入が確定した場合は電気事業法に基づいて所轄の経済産業局への届出が必要です。漏油などを防ぐためにも日常点検を徹底する必要があります。
また、PCBが含まれている電気機械器具を電路から外した場合、再度使用するのは禁止されているため注意しましょう。
◇微量PCB混入機器の保管
微量PCBが混入された機器を電路から取り外した際、混入の可能性があるものは、廃棄物処理法に準じた適切な保管をしなければなりません。識別表示・機器の隔離・漏洩防止措置・火災予防・点検・処分方法の6つに注意が必要です。
識別表示
一般の機器と区別が必要なため、次の表示が必要となります。
・微量PCB混入機器(混入の可能性のある機器)表示
・数量(個数・質量・内容量)
・管理責任者の氏名・連絡先
・保管開始年度
・処理完了期限
・メーカー名などの連絡先
・廃棄物処理法または電気事業法の手続き処理済みの表示
機器の隔離方法
機器を隔離する際は、一般の廃棄物と分けての保管が必要となります。飛散・流出・浸透・悪臭などの対策も必要です。また、保管責任者や管理者以外が立ち入れないよう仕切りを設けておくと事故などを防げます。
漏洩防止措置
保管する際は外部に漏洩しないよう密閉した容器に入れたり、浸透しないような材質でつくられた容器に収納するのが重要です。
火災防止
消防法や市町村が定めている危険物指定数量以上を保管する場合は、消防法に準じた保管方法で保管しなければなりません。そのため、詳しくは管轄の消防署へ問い合わせるのがおすすめです。
点検
定期的な点検を行い、漏洩による環境汚染や紛失などを防止しましょう。また、点検した際は記録をつけて廃棄処理が完了するまで保管しておくのも重要です。
処分方法
廃棄処理する際は、内容物や量について委託先に情報提供する必要があります。法に遵守した方法で処理しましょう。
微量PCB混入機器の廃棄について
微量PCBが混入している機器は一般の廃棄物と一緒に廃棄できません。また、処分を行う際は、専門業者に依頼して分析を行う必要があります。ここで、処理可能施設が廃棄する方法や分析業者の選び方について解説します。
◇廃棄の際にPCB分析が必要
微量PCBが含まれている可能性がある機器を廃棄する際は、分析機関でのPCB分析が必要になります。また、含まれているかはっきりしていない機器や含まれている機器をそのまま使用する場合は、事業所の所轄の経済産業局や都道府県への報告が必要です。
◇PCB分析が可能な業者の調べ方
微量PCBの含有が疑われる機器を廃棄する際には、専門のPCB分析を行う業者を選定する必要があります。まずは、一般社団法人日本電機工業会(JEMA)のウェブサイトを訪れて、PCB検査を行っている機関の情報を確認します。JEMAのサイトでは、検査機関のリストや連絡先が提供されていますので、地域や対応可能な分析内容を確認することができます。
さらに、日本環境測定分析協会のホームページでも、絶縁油中の微量PCB測定分析業務を行っている業者を検索することができます。具体的には「OPCB」(絶縁油中の微量PCB測定分析業務)にチェックが入っている業者を探し、その業者に問い合わせて、具体的な分析依頼の手続きや料金について確認しましょう。
◇「見える化」で企業をサポートするカネカテクノリサーチ
カネカテクノリサーチは、微量PCBなどの分析を行っている業者です。分析サービスと技術情報サービスを両立させており、実績も豊富で高度な技術をもって分析を行っています。画像や数値で「見える化」することで抱える課題解決に向けて企業をサポートしている企業です。
カネカテクノリサーチの分析技術を紹介
カネカテクノリサーチは、環境やエネルギー、材料の研究開発の現場などさまざまな分析を行った実績があります。分析技術と豊富な経験で培ったノウハウを用いた提案を行っている企業です。
ここからは微量PCBの簡易測定法について、カネカテクノリサーチがこれまでに行った分析事例も合わせてご紹介します。
◇環境省マニュアル対応の分析法
環境省が策定した絶縁油中の微量PCBに関する簡易測定法は、効率的で尚且つ確実な処理の観点からマニュアル作成までに短時間・低コストで測定できる方法を検討してきました。その結果、機器分析法や生化学的分析法など、さまざまな簡易測定法が確立され各業者で実施されており、測定法は業者によってもさまざまです。
カネカテクノリサーチでは、記載法の「2.1.2 加熱多層シリカゲルカラム/アルミナカラム/キャピラリーカラムガスクロマトグラフ/電子捕獲型検出器(GC/ECD)法」での分析を実施しています。
◇高感度分析にも対応
カネカテクノリサーチでは、環境省が作成したマニュアルに記載された測定法以外での分析も可能です。HRGC(二重収束型高分解能ガスクロマトクロフ)/HRMS(質量分析計)を用いた高精度な分析も行っており、異性体ごとの個別定量やダイオキシン分析と同レベルの分析を実施しています。また、絶縁油だけでなく低濃度の水試料や高濃度PCB汚染廃棄物試料まで、幅広い分析に対応可能です。
まとめ
微量PCBとは、誤って電気機器に混入したポリ塩化ビフェニル(PCB)の微量を指します。かつては絶縁油として使われ、その高い毒性が知られています。1970年代後半以降、使用が禁止されましたが、製造や廃棄処理の際に未だに混入する事例があります。
微量PCBの濃度は0.5mg/kgを超えて5,000mg/kg以下であり、環境と健康に悪影響を及ぼすため、適切な管理が重要です。微量PCBは、汚染絶縁油やその処理物として分類され、特に日常点検が欠かせません。 もし微量PCBを含む機器を処理する場合は、専門機関による正確な分析が必要であり、法的な手続きも遵守する必要があります。
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