使用中の低濃度PCB製品の取り扱いと廃棄期間とは?専門業者の選び方 | PCB処理 完全攻略ガイド
PCB(ポリ塩化ビフェニル)処理
使用中の低濃度PCB製品の取り扱いと廃棄期間とは?専門業者の選び方
公開:2024.08.16 更新:2024.08.30目次
低濃度PCB廃棄物処分までの流れをおさらい
低濃度PCBとは、電気機器の製造過程で微量が混入したPCBのことを指します。これらはPCB特措法により、令和9年3月31日までに処分することが義務付けられています。
◇使用している場合
現在使用中の製品については、PCB濃度が0.5mg/kgを超えるかを確認するため、濃度測定や銘板情報を活用します。濃度測定は電気主任技術者の確認のもと、安全に行い、絶縁油を採取した後に使用不可となる製品は、廃棄時に測定を行います。
電気事業法に基づき、「電気工作物」に該当する場合は、経済産業省への「電気関係報告規則」に従い届出が必要です。また、PCB濃度が5,000mg/kgを超える製品は「高濃度PCB使用製品」となり、毎年6月30日までに都道府県(市)へ「廃棄の見込み」を届け出る必要があります。
届出方法は都道府県ごとに異なり、PCBの保管、移動、処分などの状況に応じて異なる届出様式が必要です。事前に適切な様式を確認しておくことが重要です。
◇使用していない場合
使用していない低濃度PCBに汚染された製品がある場合、毎年6月30日までに前年度の「保管及び処分状況等の届出」を都道府県に提出する必要があります。新規の届出には、保管状況やPCB濃度を示す写真や測定結果を添付しなければなりません。
処分は、環境省認定の「無害化処理施設」または都道府県知事許可施設に委託し、令和9年3月31日までに行う必要があります。処分後は、処分契約日から20日以内に処分業者との契約書の写しを添えて、「処分完了届出」を都道府県(市)に提出します。
処分完了届出後、翌年度の「保管及び処分状況等の届出」に処分時のマニフェストE票の写しを添付して提出すれば、PCB廃棄物の届出手続きが完了します。
濃度を知るためには分析が必要
平成13年に施行されたPCB特措法によって処理が進められていますが、PCB未使用とされる電気機器からもPCBが検出されるケースが増え、その数も多いため、確実な処理がますます重要になっています。
高濃度PCBは機器の型番や製造日から判断できますが、低濃度PCBの場合はPCB濃度を測定し分析する必要があります。これにより、対象が低濃度PCB廃棄物として適切に処理すべきかを判断することが求められます。
◇専門の業者への依頼が必要
PCB濃度が0.5mg/kgを超えて5,000mg/kg以下の場合(可燃性PCB汚染物は10%以下)、まずは機器の銘板を確認し、高濃度PCB機器でないかをチェックします。その後、メーカーに問い合わせるか、PCBの分析を行います。
PCBの分析には専用の機器が必要なため、専門業者に依頼するのが一般的です。分析用のサンプリングは通常、自分で行い専門業者に送付しますが、コンデンサなど特定の電気機器ではサンプリング作業も専門的な技術が必要なため、専門業者に現地での採油を依頼することが推奨されます。
◇PCB廃棄物の重要性と内容
高濃度PCBと低濃度PCBでは処理方法が異なり、分析には機械分析法と生化学分析法の2種類があります。
機械分析法は、分析機器を使用してPCBの含有濃度を検出する方法です。ここでは、特定の分子や電圧の変化を利用してPCBを識別します。
主に用いられる機器には、残留PCBの検出に適した「GC/ECD」と、成分の分離後に質量情報でPCBを定性・定量する「GC/MS」があります。また、迅速な判定にはフロースルー式免疫測定法や高濃度硫酸シリカゲルカラムも使用されることがあります。
生化学分析法は、生物化学的手法で物質を分析・定量する方法です。PCBの検出には、簡易定量法と迅速判定法が使われます。簡易定量法では、加熱多層シリカゲルカラム、アルミナカラム、フロー式イムノセンサー法などが一般的です。
迅速判定法では、高濃度硫酸シリカゲルカラムやフロースルー式免疫測定法(イムノアッセイ)がPCBの検出に利用されます。
低濃度PCB廃棄物の処分までにかかる期間
低濃度PCBは、定められた期限内に処分する必要があります。そのため、今後は処分を急ぐ駆け込み需要が増えると予想されます。
◇処分までにかかる期間
低濃度PCBを処理する際は、まずPCBの含有量を分析する必要があります。分析結果をもとに、業者と相談して処理の日程調整と現地調査を行います。この調査では、PCB廃棄物のサイズ、解体の必要性、運搬距離、破損や漏れの有無を確認します。
その後、見積もりを取得し、契約を結びます。低濃度PCBの処理には通常、最低でも3ヶ月から半年程度かかるため、PCBが疑われる場合は早めに業者に相談することが推奨されます。
◇重量物の場合
低濃度PCBは重量物に多く含まれるため、対象が重い電気機器の場合は、クレーンの手配や道路使用許可の取得など、追加の手続きが必要になることがあります。
また、PCBは特別管理産業廃棄物に該当するため、専門知識を持つ運搬スタッフや専用の車両が必要であり、そのため費用が高額になります。
現在は中小企業者等の軽減制度やPCB廃棄物処理基金などの補助制度が利用可能ですが、これらの制度が将来も継続されるかは未確定です。補助制度が終了する可能性もあるため、計画的な予算管理とスケジュールの見直しが重要です。利用可能な間に処理を進めることが推奨されます。
低濃度PCB廃棄物処分業者の選び方
PCB処理業者を選ぶ際には、「収集運搬」サービスが提供されているかどうかが重要です。PCB廃棄物を収集・運搬するには、廃棄物処理法に基づいて特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可を持つ業者でなければなりません。
◇収集運搬から処分まで対応
依頼したPCB処理業者が収集運搬に対応していない場合、別の運搬業者を探さなければならず、複数の業者に分けて依頼することで手間とコストが増加します。そのため、収集運搬から処理までを一貫して提供する業者を選ぶことで、手間やコストを抑えつつスムーズに処理を進めることができます。
また、自社で一貫して対応する業者は、状況に応じて柔軟な対応ができるため、より安心して任せることができます。
◇大型の廃棄物に対応
PCBが使用されている機器や部品の分解や処理には、専門知識や特別な設備が必要です。特に大型機器については、自社で安全に分解・処理するのが難しいため、専門の処理業者に依頼することが重要です。
PCBを含む大型機器の処理には、現地で解体してから運搬する方法と、処理施設への直接運搬の二つの方法があります。
しかし、超大型機器は運搬車両への積載が難しいため、多くの場合、現地で解体または洗浄処理し、機器を小型化してから安全に処理施設へ運ぶのが一般的です。解体された機器や部品は、運搬車両(トラックや低床トレーラーなど)によって処理施設まで輸送されます。
大型機器や多量のPCBを含む機器を保有している場合は、高い処理能力と適切な設備を持つ業者を選ぶようにしましょう。
低濃度PCBとは電気機器の製造過程で微量が混入したPCBであり、PCB特措法により令和9年3月31日までに処分する義務があります。
使用中の製品については、PCB濃度が0.5mg/kgを超えるかを確認するため、濃度測定や銘板情報を活用します。電気事業法に基づき「電気工作物」に該当する場合は、経済産業省への届出が必要です。
PCB濃度が5,000mg/kgを超える製品は「高濃度PCB使用製品」となり、毎年6月30日までに都道府県への「廃棄の見込み」を届け出る必要があります。
使用していない場合、PCBに汚染された製品があるときは、毎年6月30日までに「保管及び処分状況等の届出」を都道府県に提出します。処分は、環境省認定の無害化処理施設または都道府県知事許可施設に委託し、令和9年3月31日までに行う必要があります。
処分後、処分業者との契約書の写しを添えた「処分完了届出」を提出し、次年度の「保管及び処分状況等の届出」にマニフェストE票の写しを添付して完了します。
PCBの分析には専用機器が必要で、専門業者に依頼するのが一般的です。分析結果に基づき、処理が適切かを判断します。処分には通常3ヶ月から半年程度かかり、特に大型機器の場合は追加の手続きが必要です。
専門の業者に依頼することで、手間やコストを抑えつつスムーズな処理が可能になります。現在利用可能な補助制度の継続は未確定であるため、計画的な予算管理とスケジュール調整が重要です。
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