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知らないと危険!特別管理産業廃棄物の処理は資格とノウハウを持った処理業者に依頼 | PCB処理 完全攻略ガイド

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知らないと危険!特別管理産業廃棄物の処理は資格とノウハウを持った処理業者に依頼

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公開:2023.10.16 更新:2023.10.16

特別管理産業廃棄物 処理業者

特別管理産業廃棄物は、特定の危険性を持つ産業廃棄物です。特別管理産業廃棄物の処理には特別な資格が必要となります。また処理する際には、各都道府県で許可をとらなければなりません。

今回は特別管理産業廃棄物を扱う際の注意点や専門資格について解説します。

特別管理産業廃棄物とは

不用なものは自治体が無料で回収してくれますが、ものによっては適切な方法で処理するために、専門業者に回収を依頼しなくてはいけません。そのひとつが、特別管理産業廃棄物です。こちらでは、特別管理産業廃棄物について解説します。

特別管理産業廃棄物とは

特別管理産業廃棄物は「廃棄物処理法施行令第1条、第2条の4」で定義されており、具体的には以下の条件を満たす廃棄物のことを指します。

・爆発性がある

・毒性がある

・感染症がある

・健康や生活環境に被害をもたらす性質または可能性がある

ひとつでも該当する産業廃棄物および一般廃棄物は、特別管理産業廃棄物に分類されます。

特別管理産業廃棄物に分類されるもの

特別管理産業廃棄物に分類される主な廃棄物は、次のとおりです。

・廃油(揮発油類、灯油類、潤滑油類など)

・廃アルカリ(pH12.5以上の廃アルカリ)

・PCB汚染物(汚泥、紙くず、木くず、繊維くず、廃プラスチック類、金属くず、陶磁器くず、がれき類)

PCB処理物

・廃石綿(アスベスト)など

・廃酸(pH2.0以上の廃酸)

・感染性産業廃棄物(血液の付着した注射針など)

・特定有害産業廃棄物(PCB=廃ポリ塩化ビフェニルなど)

特別管理産業廃棄物を扱う際の注意点

特別管理産業廃棄物を取り扱う際には、いくつかの注意があります。主な注意点は、次の5つです。

特別管理産業廃棄物責任者を設置する

特別管理産業廃棄物の排出事業者は、事業所ごとに特別管理産業廃棄物管理責任者を指名し、設置する義務があります。自治体によっては、責任者を変更する際にも報告が必要です。特別管理産業廃棄物責任者については、次項で詳しく解説します。

許可業者に依頼せず処理する場合は帳簿をつける

特別管理産業廃棄物が与える環境への悪影響を最小限に抑えるため、厳格な規制と処理方法が定められています。特別管理産業廃棄物の運搬および処理は許可業者に委託できますが、特別管理産業廃棄物処理基準に従って、自ら処理することも可能です。ただし、その場合は帳簿をつけ、保管しなくてはいけません。

普通廃棄物への混入を防ぐ

特別管理産業廃棄物と普通産業廃棄物を1ヶ所で保管すると、普通産業廃棄物に特別管理産業廃棄物が混入するおそれがあります。特別管理産業廃棄物を保管および運搬する場合は、他の廃棄物に混入しないよう、仕切りなどの対策が必要です。

電子マニフェストの運用を行う

マニフェスト制度は、廃棄物処理状況の把握と、不法投棄を防止することを目的に制定された制度です。特別管理産業廃棄物を排出する事業者で、年間の排出量が一定の量以上になると、マニフェスト制度に従って電子マニフェストの運用を行う必要があります。

具体的な条件は以下の4つで、ひとつでも該当しなければ、電子マニフェストの運用は不要です。

50トンの特別管理産業廃棄物を「1つの事業所で」「前々年度に」「PCB廃棄物を除く特別管理産業廃棄物を」「年間50トン以上排出させた」。

マニフェストが返却されない場合は報告をする

マニフェストは排出事業者が収集運搬業者や処分業者に交付し、処分が完了したら排出業者に返却することになっています。運搬業者から返却されるものがB2票で、処分業者から返却されるものがD票です。

交付後60日以内に戻ってこなかった場合には、依頼した業者に確認し、返却されない旨を行政庁に報告することが義務づけられています。

特別管理産業廃棄物を扱うためには専門の資格が必須

特別管理産業廃棄物の取り扱いには危険が伴うため、排出事業者が扱う場合には専門の資格が必須です。当然のことながら、特別管理産業廃棄物の処理も、資格とノウハウを持った処理業者に依頼しなくてはいけません。

こちらでは、特別管理産業廃棄物に関わる資格として、特別管理産業廃棄物責任者と産業廃棄物収集運搬業について説明します。

特別管理産業廃棄物管理責任者の役割

特別管理産業廃棄物管理責任者の主な役割と業務内容は、次のとおりです。

排出状況のチェック

事業所から生じる特別管理産業廃棄物の種類と排出量を正確に把握し、不法投棄や処理漏れなどの防止に努めます。

処理方法の確保

保管状況を監視し、処理を委託する許可業者を選定し、マニフェストの交付と保存などを行うのも特別管理産業廃棄物責任者の仕事です。

処理計画の立案

処理方法と日程を立案し、各担当者との確認を行います。

特別管理産業廃棄物責任者の選任要件と取得方法

選任要件と取得方法は、感染性産業廃棄物を排出する事業者と、排出しない事業者で異なります。

感染性産業廃棄物を排出する事業者

医師、看護師、薬剤師、保健師などの医療資格、環境衛生指導員として2年以上の実務経験、大学や高等専門学校で医学、薬学、などの課程を修了していることが選任要件です。

感染性産業廃棄物を排出しない事業者

環境衛生指導員の資格を有し、2年以上の実務経験があることなどが求められます。選任要件を満たしていなくても、日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)主催の講習会(受講料13,800円)を受講し、試験に合格すれば同等の資格を取得することが可能です。

特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可

産業廃棄物の収集運搬業者が、産業廃棄物を回収し、処理施設まで運搬するためには、都道府県や政令都市からの許可を取得する必要があります。運搬する際に複数の地域をまたぐ場合には、それぞれの地域で許可を申請しなければいけません。

特別管理産業廃棄物収集運搬業の申請方法

新規で特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可を受ける場合の受講料は、オンライン形式で37,400円、対面形式だと46,200円(2023年8月現在)、許可の新規申請料は81,000円になります。ただし、申請方法は各都道府県で異なる場合があるため、確認が必要です。


特別管理産業廃棄物は、特定の危険性を持つ産業廃棄物です。特別管理産業廃棄物には厳格な処理要件が課せられ、専門業者によって取り扱わなければなりません。
主な特別管理産業廃棄物には廃油、廃アルカリ、PCB汚染物、廃石綿(アスベスト)、廃酸、感染性産業廃棄物などが含まれます。

特別管理産業廃棄物の処理には特別な資格が必要で、特別管理産業廃棄物責任者や産業廃棄物収集運搬業者がこれらの廃棄物を適切に処理する役割を果たします。また各都道府県で許可をとる必要があり、規制に従うことが求められます。

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