PCB廃棄物は厳格な規制があるため、信頼性の高い業者を選ぶことが重要です。ここでは、千葉でPCB処理が可能な産業廃棄物業者の中から、信頼性と実績を備えた3社を紹介します。これらの業者はPCB廃棄物の運搬から処分まで一貫して請け負い、安全で確実な処理を提供しています。環境への影響を最小限に抑えつつ、法的義務を遵守するために、専門業者に依頼することをお勧めします。
目次
PCBは処理に多くの規制がある産業廃棄物

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PCB廃棄物の処理は、環境への悪影響を最小限に抑えつつ、安全かつ効果的に実施することが重要です。PCB廃棄物の保管・運搬といった過程においては、厳格な規制と処理期限が設けられています。これらの規制がなぜ必要なのか、そしてどのように適切な処理が行われるべきかについて解説していきます。
◇PCB特別措置法により規定
「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」に基づくPCB廃棄物の基準は、PCBを含む油、酸又はアルカリ、プラスチック類又は金属くず、陶磁器くず、およびその他の廃棄物に対して異なります。以下に、それぞれの基準を分かりやすく解説します。
廃油
廃油中のPCB濃度は、試料1キログラムあたり0.5ミリグラム以下である必要があります。これは主に油の中にPCBsが含まれている場合に適用されます。
廃酸又は廃アルカリ
廃酸又は廃アルカリ中のPCB濃度は、試料1リットルあたり0.03ミリグラム以下である必要があります。これは酸やアルカリの廃棄物にPCBsが含まれている場合に関連します。
廃プラスチック類又は金属くず
PCBがプラスチック類や金属くずに付着されていないことが求められます。つまり、これらの廃棄物にはPCBsが含まれていてはならず、適切にクリーンな状態で処理される必要があります。
陶磁器くず
陶磁器くずにはPCBsが付着されていないことが求められます。この廃棄物もPCBsが含まれていてはなりません。
その他の廃棄物
これには様々な種類の廃棄物が含まれます。このカテゴリーに該当する廃棄物については、試料1リットルあたり0.003ミリグラム以下のPCB濃度である必要があります。つまり、非常に低いPCB濃度が許容されています。
これらの基準に従って、PCB廃棄物は適正に処理され、環境への悪影響や公衆の安全へのリスクが最小限に抑えられます。
◇保管・処分状況届け出の義務
PCB廃棄物を保管している事業者は、毎年保管および処分の状況に関する報告書(届け出)を都道府県知事(市に保健所がある場合は市長)に提出しなければなりません。また都道府県知事は、各事業者から報告された情報に基づき、PCB廃棄物の保管と処分に関する状況を公に開示する責務があります。
◇PCB処理期限と一都三県の処理施設について
一都三県(東京都、千葉県、埼玉県及び神奈川県)において、高濃度PCB廃棄物と高濃度PCB使用製品の処理について以下の要点があります。
東京PCB廃棄物処理施設
平成17年11月から稼動し、変圧器、コンデンサー、PCB油などの高濃度PCB廃棄物の処理を行う施設が存在します。この施設は、中間貯蔵・環境安全事業株式会社(通称「JESCO」、政府100%出資)が整備・運営しており、国の「ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画」に基づいています。
平成26年改訂
平成26年に国の「ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画」が改訂され、一部の高濃度PCB廃棄物について処理場所が変更されました。具体的には、一部のコンデンサーについては北九州PCB廃棄物処理施設で、安定器及び汚染物等については北海道PCB廃棄物処理施設で処理されることとなりました。
処分期限
高濃度PCB廃棄物及び高濃度PCB使用製品には、処分期間と特例処分期限が設定されています。これらは以下の通りです。
変圧器、コンデンサー、PCB油等の処分期限は令和4年3月31日までで、特例処分期限は令和5年3月31日までです。一部のコンデンサー(JESCO北九州PCB処理事業所で処理するもの)の処分期限は平成30年3月31日までで、特例処分期限は平成31年3月31日までです。
安定器及び汚染物等の処分期限は令和5年3月31日までで、特例処分期限は令和6年3月31日までです。
可燃性の汚染物等と汚染物等
処分期限に関して、可燃性の汚染物等(例: 汚泥、紙くず、木くず、繊維くず、廃プラスチック類など)と汚染物等(例: 金属くず、ガラスくず、小型電気機器(3キログラム未満)など)についても異なる特例処分期限が設けられています。
期限超過の処理
処分期限を過ぎても高濃度PCB使用製品が廃棄物として残った場合、これは高濃度PCB廃棄物とみなされ、PCB特別措置法および廃棄物処理法の規定が適用されます。
低濃度PCB廃棄物
高濃度PCB廃棄物とは異なり、低濃度PCB廃棄物には別の処分期限が設けられています。このカテゴリーに該当するものについては、令和9年3月31日までに処理が完了する必要があります。
期限内に適切に処理を行うことは、法的な義務であり、環境への負荷を最小限に抑えるためにも重要です。
PCB処分は許可保有の産廃業者起用が必須

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PCB廃棄物の処理は、その特有の複雑性と環境への潜在的な影響を考慮し、専門の産業廃棄物業者に作業を委託することが不可欠です。ただし、許認可を得ていない業者に委託すると罰則が科せられることがあるので注意が必要です。
◇許認可のない業者に委託すると罰則がある
PCB処理において、許認可を受けた専門の産廃業者に依頼する必要性は法的な観点からも重要です。現行法では、PCB廃棄物の処分に関して許認可を受けていない産廃業者は、PCB廃棄物の処分を行うことが認められていません。許認可を受けていない業者に処分を委託した場合、罰則が科せられる可能性があります。
このような問題を回避するためにも、法令遵守と法的リスク回避の観点から、信頼性のある専門業者との契約が不可欠です。
罰則には罰金や業務停止命令などが含まれており、事業活動に大きな影響を与える可能性があります。また、許可を持たない業者に依頼すると、不適切な処理による環境汚染や社会的信用の失墜といった二次的な被害が生じる恐れもあります。
そのため、処理業者を選ぶ際には、廃棄物処理法に基づいた許可の有無を必ず確認し、県や自治体が提供する業者リストを活用することが大切です。千葉県では、許可業者に関する情報提供や相談窓口を設け、事業者が適切な業者を選ぶための支援を行っています。
法的リスクを避け、PCB廃棄物の安全で確実な処理を行うためには、信頼できる専門業者と契約することが必要です。適切な処分業者の選定は、事業者の責任を果たすだけでなく、地域環境の保全にも繋がることを認識することが重要です。
◇処分期限が迫っている
千葉県内でのPCB廃棄物処理は、法令で定められた期限内に完了する必要があります。特に高濃度PCB廃棄物については、2027年3月31日が処分の最終期限となっており、この期限を過ぎると法的な罰則を受ける可能性があるため、事業者には迅速かつ確実な対応が求められます。特に、千葉市や市原市の工業地帯では多くの事業所がPCB廃棄物を保管しているため、処理が集中することが予想されます。
処理の流れとしては、まず保管者が適切な許可を持つ産業廃棄物処理業者を選定し、契約を結ぶ必要があります。しかし、処分期限が近づくにつれ処理業者の予約が困難になる可能性が高くなるため、早期に行動することが重要です。また、保管場所から処理施設までの輸送には細心の注意が必要であり、準備や手続きが遅れると処理全体に影響を及ぼすリスクがあります。
千葉県や各自治体では、処理期限を周知するための説明会や相談窓口を設けており、これらの取り組みを活用することで、期限内の処理を確実に進めることが事業者にとっての重要な責務となります。
◇実績・処理能力の高い業者に相談を
PCB廃棄物処理業者の選択においては、業者の実績と処理能力が特に重要です。これらの要素に基づいて業者を選定することで、過去の成功事例や高い処理能力を通じて信頼性の高いサービスが期待できます。
廃棄物処理業者が長期にわたり培ってきた実績と技術力は、PCB処理において安定かつ高品質な結果をもたらす鍵となります。そのため業者の選定においては、これらの実績と処理能力を総合的に評価し、信頼性の高い業者に相談することが大切です。
千葉県におけるPCB廃棄物処理

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千葉県では、PCB廃棄物の適切な処理を進めるため、国の法令に準じつつ、県独自の施策を展開しています。PCBは高度経済成長期にトランスやコンデンサーといった電気機器に使用されましたが、高い毒性と環境汚染の危険性が明らかとなり、現在ではその使用が厳しく規制されています。
千葉県内では、特に工業地帯や大規模な事業所を抱える市町村を中心に、PCB廃棄物の保管量が多いことが課題です。
これを受け、千葉県や千葉市をはじめとする各自治体では、事業者の処理手続きをサポートする窓口を設けるなどの支援体制を整備しています。
◇高濃度PCB廃棄物の処理と対応
高濃度PCB廃棄物は、千葉市や市原市といった工業地帯を中心に多くの事業所で保管されています。これらの廃棄物は主に1970年代以前に製造された変圧器やコンデンサーに含まれており、厳密な管理と適切な処分が必要です。PCB廃棄物の処理期限が2027年3月31日に迫る中、千葉県は県内の事業者に対して積極的に情報提供を行っています。
また、千葉県内には高濃度PCBを処理できる専用施設がないため、近隣地域の処理施設を利用するケースが多くなっています。これに伴い、輸送手続きの適正化が重要な課題となっています。千葉県では、輸送から処理までの手続きに関する相談会を開催し、事業者がスムーズに処理を進められるようサポートを提供しています。
◇低濃度PCB廃棄物の処理と支援策
低濃度PCB廃棄物は、千葉県内の各地で広く保管されています。これらは高濃度PCB廃棄物よりも毒性が低いものの、依然として適切な処理が求められます。
柏市では、低濃度PCB廃棄物の処理費用を一部助成する補助金制度を実施しており、特に中小企業がこの制度を活用して処理を進めています。さらに、千葉県は独自に作成した「PCB廃棄物処理マニュアル」を公開し、事業者が法令遵守と安全な処理を行えるようサポートしています。
また、千葉県は低濃度PCB廃棄物の処理を受託できる業者リストを提供し、事業者が適切な処理業者を迅速に見つけられるよう配慮しています。このような取り組みを通じて、事業者が適切かつ迅速に処理を進められるよう支援を続けています。
◇PCB廃棄物処理における自治体の取り組み
千葉県内の自治体では、PCB廃棄物に関する情報の周知や保管状況の確認を徹底しています。例えば、千葉市では毎年、PCB廃棄物の保管状況調査を実施し、未報告の事業者に対して指導を行っています。市原市では、事業者向けの説明会を定期的に開催し、処理期限の厳守や違反時の罰則について啓発活動を進めています。
また、地域住民の理解を得るため、自治体のウェブサイトではPCB処理の進捗状況や安全性に関する情報を公開しています。これにより、住民の不安を軽減する取り組みが進められています。
◇PCB廃棄物処理の意義と今後の展望
千葉県は、工業地帯が多いため、PCB廃棄物の適切な処理が県全体の環境保全に直結する重要な課題となっています。期限内の処理を達成するため、県は引き続き事業者向けの支援を強化し、補助金や説明会を通じて処理促進を図ります。
さらに、廃棄物の適正な処理が完了した後も、処理済み施設のモニタリングや情報公開を継続し、環境保全に万全を期すことが求められています。千葉県は、独自の取り組みを強化することで、PCB廃棄物処理の模範的な事例となることを目指しています。
PCB処理に対応している丸両自動車運送を紹介

画像出典:丸両自動車運送
丸両自動車運送株式会社は、産業廃棄物の収集運搬を通じて、循環型社会の実現に貢献している企業です。特に、PCB廃棄物の処理において豊富な実績を持ち、安心・安全なサービスを提供しています。
会社名 | 丸両自動車運送株式会社 |
所在地 | 静岡県静岡市清水区横砂西町10番6号 |
電話・FAX番号 | TEL:054-366-1312 FAX:054-366-1338 |
丸両自動車運送がPCB廃棄物処理をする上で他社よりも優れている点をご紹介します。
◇PCB廃棄物処理の専門性と実績
丸両自動車運送は、PCB廃棄物の収集運搬において長年の実績を持ち、約3,000件以上の対応を行ってきました。
PCBは環境や人体への影響が懸念される有害物質であり、その処理には高い専門性と厳格な安全対策が求められます。
丸両自動車運送では、すべての作業従事者が日本産業廃棄物処理振興センターのPCB廃棄物の収集運搬作業従事者講習会を修了し、適切な知識と技術を身につけています。
また、運搬時にはJESCOの搬入仕様に準拠した専用容器やトレイを使用し、PCBの漏洩や飛散を防止する措置を徹底しています。
さらに、車両にはGPS装置を搭載し、運搬経路の監視を行いながら、安全で確実な運搬を実現しています。
これにより、排出事業者は安心して同社のサービスを利用することができ、適正な処理を進めることが可能です。
高い専門性と厳格な安全管理体制により、同社は全国の排出事業者からの信頼を獲得し、PCB廃棄物処理の分野で確固たる地位を築いています。
◇全国対応と多様な運搬体制
丸両自動車運送は、全国47都道府県の排出事業者からのPCB廃棄物の収集運搬に対応し、広範なネットワークを活用した柔軟なサービスを提供しています。
PCB廃棄物の処理には、排出事業者の所在地や排出量に応じた適切な運搬方法を取ることが必要です。
丸両自動車運送では、多様な運搬条件に対応するため、専用の運搬車両を取り揃え、少量から大量の廃棄物まで効率的に運搬する体制を整えています。
特に、少量保管事業者の処分機器を一台の車両に混載することで運搬コストを抑える工夫を施し、排出事業者の負担の軽減に成功しました。
また、収集したPCB廃棄物は、法令に基づき適正に処理されるよう管理されており、搬入先となるJESCOの中間貯蔵施設への搬入基準を遵守しています。
全国どこでも対応可能な体制を確立することで、PCB廃棄物を適正に処理しなければならない排出事業者にとって利便性の高いサービスの継続が可能です。。
これにより、遠隔地の事業者でも円滑なPCB廃棄物処理を進めることが可能となり、適正処理の促進につながっています。
◇環境への配慮とSDGsへの取り組み
丸両自動車運送は、PCB廃棄物の処理を通じて環境保全に貢献するとともに、安全性の確保を最優先に考えた運搬・管理を徹底しています。
PCBは適正に処理しなければ、土壌汚染や大気汚染の原因となるため、収集運搬段階から厳格な安全対策が求められます。
丸両自動車運送では、環境負荷を低減するための取り組みを積極的に行い、エネルギー使用量の削減や排ガス低減を目的とした車両管理を実施しています。
さらに、SDGsの観点から、気候変動対策や資源の有効活用に関する取り組みも進めています。
例えば、低燃費車両の導入や、運行ルートの最適化による燃料消費の削減を推進し、二酸化炭素排出量の抑制を成功させました。
また、産業廃棄物の適正処理を通じて、持続可能な社会の実現を支援することも企業の重要な使命と考え。安全で環境負荷の少ないPCB廃棄物処理を提供することで、企業の環境責任を果たしながら、持続可能な社会への貢献を目指しています。
さまざまな環境への取り組みは、排出事業者にとっても信頼の証となり、より多くの企業が適正なPCB処理を進めるきっかけとなっています。
PCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物は厳格な規制がある産業廃棄物であり、環境への悪影響を最小限に抑えるために特別措置法に基づく基準が設けられています。廃油、廃酸又は廃アルカリ、廃プラスチック類又は金属くず、陶磁器くず、その他の廃棄物に対する基準が異なり、PCBの含有濃度に基づいて規定されています。
PCB廃棄物を保管する事業者は毎年報告書を提出し、都道府県知事は情報を公開する責務があります。また、PCB廃棄物には処理期限が設定されており、期限を守ることが法的義務であり、環境への負荷を最小限に抑えるためにも重要です。
PCB廃棄物の処理は許可保有の産業廃棄物業者に委託する必要があり、許認可を受けていない業者に委託すると罰則が科せられる可能性があるため、信頼性のある業者の選定が不可欠です。業者の実績と処理能力が重要であり、千葉でおすすめのPCB産業廃棄物業者として杉田建材、エコシステム千葉、丸両自動車運送が挙げられます。これらの業者は安全な処分と確実な運搬を提供し、法令遵守と環境保護に貢献しています。