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キュービクルにPCB産業廃棄物が含有されていたらどうすればよい?処分方法を解説 | PCB処理 完全攻略ガイド

PCB(ポリ塩化ビフェニル)処理

キュービクルにPCB産業廃棄物が含有されていたらどうすればよい?処分方法を解説

PCB(ポリ塩化ビフェニル)処理

公開:2025.01.25 更新:2025.01.28

キュービクル内の機器には、古い設備にPCBが含まれている可能性があります。PCBの確認方法は銘板情報や成分分析を利用し、発見された場合は適切に処理する必要があります。信頼できる処理企業には、丸両自動車運送、オオノ開發、DOWAエコシステムがあります。

キュービクルにPCB産業廃棄物は含まれている?

キュービクルは工場やオフィスビルの高圧受電設備であり、変圧器やコンデンサーなどの機器が収められています。しかし、古い設備にはPCB(ポリ塩化ビフェニル)が含まれていることがあります。この記事では、キュービクルの内容物やPCBの含有の確認方法について解説します。

◇キュービクルの内容物  

キュービクルは、主に金属製の箱で、内部にいくつかの機器が収められています。高圧電力の変圧と配電を行うことが主な役割で、その中核を成すのが変圧器(トランス)です。変圧器は、高圧の電気を低圧に変換することで、一般的な電力の利用が可能になります。

また、高圧進相コンデンサーも重要な機器の一つで、電力ロスを最小限に抑える働きをします。これにより、効率的な電力供給が実現されます。さらに、計器用変圧器は、電圧を低く変換し、安全に測定や制御を行うために必要です。他にも、区分開閉器や遮断器、低圧配電設備などが含まれ、これらの機器が協力して電力を効率的に管理・供給します。

こうした複雑な構造を持つキュービクルは、電力管理に欠かせない設備であり、専門的な知識が必要な高度なシステムでもあります。そのため、キュービクルの保守や運用には専門家の関与が不可欠です。

◇PCBが使われている可能性がある機器  

キュービクルに使用される機器の中で、特にPCB(ポリ塩化ビフェニル)が含まれている可能性が高いのは、変圧器やコンデンサーです。PCBは1953年から1972年に製造された電気機器に広く使用され、耐熱性や安定性の高さから当時の電力設備で多く採用されていました。

PCBの含有を確認する方法として、まず機器の銘板情報を調べる方法があります。銘板からメーカー名や型番、製造年を確認することで、PCBが使用されているかどうかを推測できます。例えば、1973年以降に製造された製品にはPCBが含まれていないことが多いです。

さらに正確な確認方法として、機器内部の絶縁油を採取し、成分を分析することが挙げられます。この分析により、PCBの濃度を測定し、汚染があるかどうかを判別することができます。もしPCBが含まれていることが判明した場合、特別管理産業廃棄物として適切に処理しなければなりません。

特に1972年以前に製造された機器を使用している場合は、早急に確認し、PCBの含有状況を把握することが大切です。これにより、安全で適切な処理が可能となり、法令に基づいた対応が行えます。

キュービクルからPCB産業廃棄物が発見された事例

キュービクル

画像出典:フォトAC

キュービクルが設置された事業場では、長期間使用されることが多いため、PCBを含む廃棄物が放置されるケースがあります。これらの廃棄物は解体や調査中に発見されることがあり、その際には迅速かつ適切な対応が求められます。

◇事業場跡地から発見された事例  

事業場跡地での解体時には、PCBを含む廃棄物が発見されることがよくあります。例えば、ある跡地では解体中に、放置されたキュービクル内から高濃度PCBを含むコンデンサー1台と、低濃度と判定されたコンデンサー1台が確認されました。

この場合、発見されたコンデンサーは掘り起こし調査の対象外でしたが、JESCO未登録台帳に記載されていたことが、適切な管理が行われていなかった原因とされています。

また、別の事例では、生コン工場の解体後に転用された施設からPCB含有機器が発見されました。コンデンサーが内部に保管されたまま新たな所有者に引き継がれ、適切な引き渡しが行われていなかったことが問題視されました。こうした事例では、事業者の認識不足や管理不備が背景にあり、廃棄物処理のルールを徹底する必要があることが浮き彫りになっています。

◇令和6年にも続々と発見  

令和6年に入っても、PCBを含む廃棄物の発見事例は後を絶ちません。例えば、昼間でも薄暗い工場の隅に置かれていたステンレス製の箱から高濃度PCB含有コンデンサーが見つかりました。この工場では、以前の調査で「PCB含有機器なし」と回答していましたが、整理中に従業員が偶然発見したケースです。

さらに、使用中の機器の隙間に高濃度のコンデンサーが保管されていた事例もありました。この場合、掘り起こし調査で保管場所を特定し、管理不備が指摘されました。調査の際には、機器の隙間や見落としがちなエリアを丁寧に確認することが重要です。

また、壁面に立て掛けられた資材の裏からも高濃度PCB含有コンデンサーが発見された事例もあります。このように、見つけにくい場所での発見は、保管事業者や調査担当者が細部まで確認を徹底する必要性を強調しています。

キュービクルにPCB産業廃棄物が見つかったら?

キュービクル内でPCBを含む産業廃棄物が発見された場合、適切な対応が不可欠です。PCBは法令で厳重に管理されており、処理方法はその濃度に応じて異なります。

◇高濃度PCB含有廃棄物の場合  

高濃度PCB含有廃棄物が計画的処理完了期限後に見つかっても、処理は可能です。しかし、期限を超過した場合には、「事業終了準備期間」を活用した特別な手続きが必要です。この期間内に速やかに登録し、処理契約を締結することが求められます。処理施設では、登録後に適切な処理計画が立てられます。

例えば、北海道や東京のPCB処理事業所では、令和8年3月31日まで事業終了準備期間が設定されています。この期間内に処理委託契約を締結すれば、廃棄物の処理を継続できます。しかし、登録が遅れると処理が難しくなるため、早急に対応することが求められます。登録手続きでは、廃棄物の種類や重量などの詳細情報が必要となるため、事前に適切な調査を行うことが重要です。

◇低濃度PCB含有廃棄物の場合  

低濃度PCB含有廃棄物は、高濃度PCB廃棄物とは異なり、通常の産業廃棄物処理施設で処理が可能です。専用の処理施設を必要としないため、比較的対応しやすい特徴があります。しかし、成分分析を正確に行い、自治体や認定事業者への届出が必要です。

また、低濃度PCB廃棄物が高濃度PCB廃棄物と混在している場合、全てを高濃度PCB廃棄物として扱う必要があります。そのため、成分分析を行い、廃棄物の濃度や性状を特定することが重要です。処理契約を結ぶ前には、認定検査機関で分析を依頼し、廃棄物の詳細情報を確認しておくことが求められます。

PCB産業廃棄物の処理を依頼できる会社

キュービクルや高圧受電設備に含まれるPCB産業廃棄物の処理は専門知識が求められ、適切な処分方法の選択が非常に重要です。この章では、信頼できる3つの会社を紹介し、PCB廃棄物の処理を依頼できる企業について解説します。

◇丸両自動車運送  

丸両自動車運送は、PCB廃棄物の処理において豊富な経験と知識を持つ企業です。全国の産業廃棄物処理場と連携し、最適でコスト効率の良い処分方法を提案しています。廃棄物の種類や量に応じた最適な処分施設の選定を行い、細やかな対応をしています。

同社は「他社では対応が難しい」とされたケースにも柔軟に応じ、全国対応の収集運搬許可を持ち、自然災害など予期しない事態にも迅速に対応可能です。豊富な実績と高い信頼性から、PCB廃棄物の処理を安心して任せられる企業です。

◇オオノ開發  

オオノ開發は、低濃度PCB廃棄物の処理に特化した企業で、環境大臣認定を受けており、高い信頼性のあるサービスを提供しています。日本最大規模の保管・処理施設を有し、小型から大型の機器まで幅広い処理が可能です。

低濃度PCB廃棄物の処理期限が迫る中で、迅速な対応を求められる状況にも、オオノ開發の効率的な処理体制が強みです。また、収集運搬から処分までを一括で行うワンストップサービスを提供し、廃棄物の種類や状態に応じた最適なプランを提案します。

◇DOWAエコシステム  

DOWAエコシステムは、有害廃棄物処理において長年の実績を持つ企業で、全国4拠点において低濃度PCB廃棄物を処理しています。それぞれの拠点は多様な処理能力を持ち、廃電気機器や汚染物の焼却処理を効率的に行っています。

同社は、処理対象物の多様性と国内最大級の処理能力を有し、安全性を重視した無害化処理サービスを提供しています。大型機器の運搬や解体にも柔軟に対応し、顧客のニーズに合わせた最適なソリューションを提供しています。DOWAエコシステムの全国的なネットワークと高い専門性は、PCB廃棄物の確実な処理を実現します。


キュービクルは、工場やオフィスビルの高圧受電設備で、変圧器やコンデンサーなどが収められています。古い設備にはPCB(ポリ塩化ビフェニル)が含まれていることがあり、特に1972年以前に製造された変圧器やコンデンサーにはPCBが使用されている可能性があります。PCBの確認方法としては、機器の銘板情報を調べ、内部の絶縁油を採取して成分分析を行う方法があります。もしPCBが含まれている場合、適切な処理が求められます。

キュービクル内でPCB産業廃棄物が発見された場合、処理は高濃度か低濃度に応じて異なります。高濃度PCB廃棄物は特別な手続きが必要で、処理期限を過ぎても対応が可能ですが、迅速な登録と処理契約が求められます。低濃度PCB廃棄物は通常の産業廃棄物として処理できますが、分析と届出が必要です。

PCB廃棄物の処理を依頼できる信頼できる企業として、丸両自動車運送、オオノ開發、DOWAエコシステムが紹介されています。これらの企業は、それぞれ豊富な経験と専門性を持ち、適切な処分方法を提案し、柔軟な対応が可能です。

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