PCB廃棄物の処理費用は高額？リスク・費用相場・削減策を徹底解説【2025年最新版】 | PCB処理 完全攻略ガイド

「PCB処理費用が高いと聞いているけど、実際はどれくらいかかるの？」
「低濃度・高濃度それぞれの期限ってどうなっているの？」
「先延ばししたらどんなリスクがある？補助金や助成制度は？」

このような疑問を持つ法人・企業の担当者の方は多いのではないでしょうか。

PCB（ポリ塩化ビフェニル）は、かつて電気工作物や照明安定器などに広く使われていましたが、強い毒性や分解の困難さが指摘され、現在は国際条約や国内法で製造・使用ともに厳しく規制されています。

本記事では、PCB廃棄物の処理費用やリスク、さらに期限内処理を成功させるためのポイントを詳しく解説します。特に低濃度PCB廃棄物の処理費用相場や処分先、コスト削減のテクニックなど、現場担当者が「今すぐ知りたい」情報をまとめました。

 PCBとは何か？廃棄物の基本と処理期限

PCB（ポリ塩化ビフェニル）は、1960～70年代に電気機器や安定器などで広く使用されてきた化学物質です。

毒性が強く分解しにくいため、適切に管理・処分しないと環境や人体に深刻な影響を及ぼす危険性があります。

PCBとは

1968年のカネミ油症事件を機に、その毒性が注目され、1972年に国内製造中止。

2001年には「PCB特措法」が制定され、廃棄物の適正処理を強化しました。

 PCB廃棄物の2種類（高濃度・低濃度）

PCB廃棄物は、含有濃度0.5％（=5,000mg/kg）を境に「高濃度PCB」と「低濃度PCB」の2種類に分類されます。

１.高濃度PCB廃棄物

２.低濃度PCB廃棄物

処理期限の違い（高濃度PCBは期限超過、低濃度PCBは2027年3月末まで）

期限を過ぎても手を付けていない場合、法律上の罰則や管理義務違反となる可能性があるため、計画的な対応が不可欠です。

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PCB廃棄物を先延ばしにする3つのリスク

PCB廃棄物は手続きが煩雑で費用も高いため、先延ばししがちです。

しかし、ズルズルと後回しにしていると、以下の深刻なリスクが大きくなっていきます。

リスク1：処理費用の高騰

低濃度PCB廃棄物を処理する業者は民間事業者がメイン。2027年3月末の期限直前になると、全国からの処理依頼が集中し、費用が急上昇する可能性が高いです。

• 過去には処理業者が少ない時期に、通常の数倍もの費用になった例がある。
  
• 大型機器の場合、処理相場が100万円以上跳ね上がるケースも。
  

早めの対応なら、各社のサービスをゆっくり比較検討でき、費用面の交渉もしやすいメリットがあります。

リスク2：漏洩による汚染拡大

長期保管中の劣化により、PCB含有油が漏れるリスクが高まります。

漏洩した油が建物床面やコンクリート基礎、保管容器に付着すると、それらが新たなPCB汚染物となり、処理費用が膨れ上がります。

• 漏洩した油の二次汚染は想定外の出費を招く。
  
• 事故が発生すれば周辺住民への説明や環境修復も含め、大きな社会的責任を負う。
  

リスク3：罰則

期限が定められているPCB廃棄物を処理せず放置していると、最悪の場合、法令違反となり罰則を受ける可能性があります。

• 高濃度PCBは期限が過ぎた地域で処理先が限定され、すでに処理受付が終了しているエリアもある。
  
• 低濃度PCBでも、2027年3月末の直前に業者が予約で埋まって処理が間に合わないといった事態に。
  
• 違反が発覚すれば、罰金や懲役、企業イメージ失墜など大きなデメリットが。
  

PCB処理費用の基礎

PCB廃棄物の処理費用は「高い」と言われがちですが、内訳を知っておけば予算立てもしやすくなります。

費用の内訳（調査費・運搬費・処分費など）

1. 調査費用
   
   • PCB含有の有無や濃度分析費用。1検体あたり約1～3万円、業者によっては5万円超。
     
2. 収集運搬費用
   
   • 現場から処理施設までの運搬コスト。対象物の数量・重量・距離で大きく変わり、数万円～数十万円の幅がある。
     
3. 処分費用
   
   • PCB廃棄物自体を無害化する費用。高濃度PCBはJESCOが一律1kgあたり30,800円（運搬費別途）。低濃度PCBでは機器の種類や重量で大幅に相場が異なる。
     

高濃度PCBと低濃度PCBの違い

• 高濃度PCB：基本的にJESCOで処理し、期限が2023年3月末（地域によっては2024年3月末）。多くの地域で受付終了している。
  
• 低濃度PCB：2027年3月末までに、環境大臣認定か都道府県知事の許可を得た民間処理業者へ。費用は業者ごとに異なり、事前見積もりが必須。

一括見積もりの重要性

PCB処理は

1. サンプル採取・分析
   
2. 収集・運搬
   
3. 処分

という複数の工程があり、個別に頼むと費用が割高になりやすいです。

一括して依頼できる業者なら、合計コストや作業工程の管理を一元化でき、結果的に出費を抑えやすくなります。

低濃度PCB廃棄物の処理費用はいくら？各製品ごとの相場

ここからは、低濃度PCB廃棄物の処理に焦点を当て、具体的な費用相場を解説します。

特にトランス・コンデンサー・安定器はPCBが含まれているケースが多いため、法人の担当者が注意すべき代表例です。

トランス類の処分に掛かる費用

「中間貯蔵・環境安全事業株式会社（JESCO）」の公表資料を参考にすると、1台あたりの処理費は以下の目安があります（調査費・運搬費は別途）。

重量が増すほど費用が上がるため、大型トランスを複数保有している場合は数百万円～かかるケースも。

さらに取り外し作業や飛散防止措置が必要なら、追加で人件費や作業費がかかります。

コンデンサー類の処分に掛かる費用

同じくJESCOの資料によると、10kg～305kgクラスまで以下のような金額が目安となっています（調査費・運搬費別）。

トランスよりコンデンサーのほうがやや高額に設定される傾向があります。

10kgクラスなら「調査費2～3万円＋処理費50万円＋運搬費5～10万円＝計60万～70万円程度」が目安となることもあります。

安定器・その他汚染物の処分費用

照明器具の安定器（蛍光灯・水銀灯など）に含まれるコンデンサーにPCBが入っていた場合、1台あたり3万円程度という金額例があります（JESCO参考）。

3kg未満の小型電気機器、感圧複写紙なども同様です。

ただし、安定器が大量にある現場や建物だと、総数×単価で数十万円～100万円超になるケースもあるため、個数の把握が重要です。

PCBなし（不使用）機器の処分費用

「PCBを使用していない」または「PCB濃度が基準以下」機器は、一般的な産業廃棄物として扱えるため、特別な処分費用はかかりません。

ただし、当初PCBの有無が不明な場合、調査費用が別途かかる点には留意が必要です。

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よくある質問：低濃度PCB廃棄物の処理費用

ここでは、低濃度PCB廃棄物の費用に関して、法人の担当者が疑問に思いがちな点をQ&A形式でまとめました。

低濃度PCBと高濃度PCBでは処理費が変わる？

高濃度PCBのほうが、JESCOで一律に設定された高い処理費用が発生しやすいです。

また、大型機器が多いため、トータルの支払い額も高額になりやすいです。

一方、低濃度PCBは民間業者ごとの価格設定で、機器の重量や種類によって変動します。

運搬費用の相場は？

機器のサイズや重量、保管場所と処理施設の距離、車両種類などに左右されます。小型機器なら3～8万円程度、大型だと10万円以上になることも。

また、飛散防止措置やクレーン手配など特殊作業が必要な場合は追加費用を見込んでおく必要があります。

PCB使用キュービクルの処分費用は？

キュービクル（高圧受電設備）にPCBが使われている場合、1kgあたり3万円程度が処理費の目安とされることがあります。

これはトランスやコンデンサーの重量・PCB濃度次第で増減するため、実物調査＋見積もりが必須です。

 PCB処理費用を抑える5つのポイント

PCB処理には高い費用がかかりがちですが、以下の手法を活用すれば法人の経済的負担を軽減できます。

仕分けの徹底

PCBを含まない機器まで「PCB廃棄物」として一括処理すると、余分な費用がかかります。

• 製造年・メーカー情報を基に、PCBの混入可能性をチェック。
  
• 必要に応じて分析を行い、本当にPCBを含む機器だけを特管扱いで処分する。
  

部分解体による処分量削減

PCBが含まれるコア部分だけを取り外し、残りは通常の産廃処理またはリサイクルに回す。

• 全機器廃棄よりも処分費を大幅に下げられる可能性大。
  
• 漏洩防止や安全管理が必要なので、専門業者と計画的に実施。
  

一社へまとめて依頼（ワンストップ）

調査、運搬、処理をそれぞれ別業者に依頼すると、手数料や管理コストがかさむ恐れが。

• ワンストップで対応できる業者なら、書類作成や工程管理を一括で行い、コストも抑えやすい。
  
• 現場担当者の手間も大幅に軽減。
  

複数の業者から見積もり

極端に安い見積もりを提示する業者には、不法投棄や追加請求のリスクも。

• 最低でも2～3社に相見積もりを取り、内訳をしっかり比較。
  
• 調査費・運搬費・処分費、すべて明確に提示してもらう。
  

補助金・助成金・融資の活用

1. 東京都など一部自治体の助成制度
   
   • 微量PCB廃棄物の分析費や処理費を最大1/2補助する例も。
     
2. 二酸化炭素排出抑制対策事業費補助金
   
   • 低濃度PCB汚染変圧器の高効率変圧器への交換で調査費・工事費の一部を補助。
     
3. 中小企業向けPCB廃棄物処理費用軽減制度
   
   • 独立行政法人環境再生保全機構などが運営する補助金や基金で70～95％軽減の可能性。
     
4. 金融機関の融資制度
   
   • 日本政策金融公庫の「環境・エネルギー対策資金」などでPCB処理費の一部を長期運転資金として融資。
     

PCB廃棄物を先延ばしにしないために：最適な処理タイミングは今

PCB廃棄物の処理を先送りにすると、費用の高騰や漏洩事故、法的罰則といったリスクが雪だるま式に膨らみます。

一方、早めに動けば：

• 相対的に処理費用が安定しているうちに業者を選定できる
  
• 保管中の事故や漏洩リスクを低減できる
  
• 書類準備や補助金申請などの時間的余裕を確保できる
  

特に低濃度PCB廃棄物は2027年3月末が処理期限。まだ数年あるように感じても、調査から撤去・処分完了まで数カ月～1年以上かかることも珍しくありません。

ぜひ今のうちに設備を点検し、具体的な処分計画を立てましょう。

PCB廃棄物処理を依頼できる業者紹介

本記事で解説した通り、適正な業者選びはコスト削減と安全確保の要です。以下に、PCB廃棄物処理で施工件数のある業者を3社ご紹介します。

エリアや得意分野を参考に、相見積もりを検討してみてください。

丸両自動車運送株式会社

引用元：丸両自動車運送株式会社

丸両自動車運送株式会社は、全国45都府県で許可を取得し、低濃度および高濃度PCB廃棄物の収集・運搬に対応しています。これまでに約3,000件以上の処理実績があり、豊富な経験を活かしながら、安全管理を徹底した運搬を行っています。

さらに、煩雑になりがちな書類作成の代行や無料見積もりサービスを提供し、顧客の負担を軽減できるよう努めています。

丸両自動車運送株式会社について詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。

▼全国の産業廃棄物処理場とのネットワークを活用！丸両自動車運送株式会社

さらに詳しい情報は公式ホームページでも確認できます。ぜひチェックしてみてください。

▼丸両自動車運送株式会社の公式ホームページはこちら

信太商店（東京都渋谷区）

引用元：信太商店

特徴・サービス

• 都内を中心に埼玉・神奈川・千葉・栃木・茨城・群馬・静岡など幅広く対応。
  
• 特別管理産業廃棄物収集運搬業許可を保有し、PCB廃棄物の回収・運搬を合法的に実施。
  
• 沈没船引き揚げや解体処分、伐採など多岐にわたる事業を展開。
  
• NHK、防衛省などの大手経験多数。
  

許可・免許

• 東京都許可 第1300154938号ほか複数
  
• 特別管理産業廃棄物収集運搬業許可（東京都・千葉県・神奈川県など）
  
• 解体工事業や移動式クレーン免許等も保有。
  

問い合わせ先

• 笹塚営業所：03-6381-6141
  
• Webフォーム：https://www.shida-eco.com/inquiry-for-business
  

「低濃度PCB廃棄物の具体的な費用が知りたい」という方は、信太商店へ相談。

見積もり後の現場確認（無料）も可能。

助成金制度の利用など、コスト面のアドバイスも期待できます。

オルビー環境（関西全域OK）

引用元：オルビー環境

特徴・サービス

• 大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山を中心に、PCB廃棄物処理を専門的に行う。
  
• 分析作業から機器搬出、運搬、処理完了までワンストップ対応。
  
• PCBが不含有と判明した機器の処分にも対応可能。
  
• アスベストなど他の処理困難物もまとめて相談可。
  

対応エリア

• 主に関西6府県、ただし日本全国対応相談可。
  

「安定器や変圧器が大量にある」など、大規模な撤去にも専門知識と技術力で対応が可能。

機器の解体・運搬だけでなく、建物内の下ろし作業なども行ってくれるため、担当者の手間が大幅に削減されます。

まとめ

PCB廃棄物の処理は法律（PCB特措法）で義務付けられており、高濃度PCBは多くの地域で既に期限超過、低濃度PCBは2027年3月末が迫っています。

先延ばしにすると、処理費用高騰・漏洩事故・罰則などのリスクが急速に膨らむため、今が最適な対応のタイミングです。

本記事で解説したとおり、

• 費用の仕組み（調査費・運搬費・処分費など）を把握
  
• 仕分けや部分処分でコストダウン
  
• 助成金・補助金制度を上手に活用
  
• 一社ワンストップ対応や複数業者の相見積もり
  

といった手法を駆使すれば、数十万～数百万円規模に及ぶ処理費用を大きく抑えることができます。

機器の確認や分析、予算確保、業者選定などには時間がかかりますが、企業として法令順守と環境保全を両立するためにも、計画的な実行が求められます。

PCB廃棄物の処理は一見ハードルが高く感じられますが、専門業者と連携すればスムーズに完了できます。

まずは保管している（または使用中の）電気機器にPCBが含まれていないか、製造年・メーカー情報などをチェックし、必要なら信頼できる業者へ相談しましょう。

そうすることで、罰則リスクを避けつつ、最適な費用で安全かつ確実に処分できます。

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