PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、かつて広く利用された化学物質でしたが、その有毒性が認識され、現在は製造・販売が禁止されています。特に、高圧変圧器や家電製品など幅広い製品に使用されていたため、廃棄時には十分な注意が必要です。安全な処理が重要であり、環境保護と健康被害の防止に向けた取り組みが求められています。
目次
PCBとは?PCBに関する基礎知識

引用元:フォトAC
PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、かつて産業や社会の発展を支えた化学物質の一つでした。しかし、その便利さの裏で環境や人体に深刻な影響を及ぼすことが判明し、現在では厳重に規制されています。PCBを正しく理解することは、過去の産業活動における課題を学び、今後の環境保全を進めるうえで欠かせない視点となります。
◇PCBとは
PCBとは「ポリ塩化ビフェニル(Polychlorinated Biphenyls)」の略称で、ビフェニルという化合物の水素原子を塩素で置き換えた人工化学物質です。1929年にアメリカで初めて工業的に生産され、その後、安定性と絶縁性の高さから世界各国で幅広く利用されました。日本でも1950年代から1970年代初頭にかけて、電気機器や建材、印刷資材などさまざまな分野で使用されてきました。
当時のPCBは「燃えにくく、劣化しにくい安全な化学物質」として重宝され、経済成長期の産業活動を支える重要な素材と考えられていました。しかし1970年代に入り、環境中で分解されにくいことや、動植物の体内に蓄積して健康被害をもたらすことが明らかになりました。
日本では、1972年にカネミ油症事件を契機としてPCBの危険性が社会問題化し、同年に製造・輸入・使用が禁止されました。
現在では、PCBを含む機器や廃棄物を安全に処理するため、国や自治体が一体となって処理計画を進めています。PCBは過去の産業遺産ともいえる存在ですが、その影響は今も環境行政の重要な課題として位置づけられています。
◇PCBの特性と用途

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PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、過去に広く利用された化学物質でしたが、その有毒性が認識され、現在は製造・輸入が禁止されています。PCBは水溶性でありながら高沸点であり、電気絶縁性が高く、化学的に安定した性質を持ちます。
これらの特性から、電気機器の絶縁油や熱媒体、ノンカーボン紙の溶剤など幅広い分野で利用されました。しかし、PCBは脂肪に溶けて蓄積しやすく、発がん性があり、皮膚障害や内臓障害を引き起こすことが知られています。
加えて、PCBは環境中で極めて分解されにくい性質を持つため、一度流出すると長期間にわたり残留します。河川や海洋に排出されたPCBは、魚介類などの生物に蓄積し、食物連鎖を通じて人間の体内にも取り込まれることがあります。このため、世界的にも「残留性有機汚染物質(POPs)」として指定され、ストックホルム条約の対象物質となっています。
また、PCBを含む機器は現在でも一部の古い設備や変圧器などに残っており、これらは法令に基づいて期限内に適正な処理を行う必要があります。PCBの特性を理解することは、環境汚染の未然防止だけでなく、過去の産業遺物を安全に管理するためにも重要です。科学技術の進歩によって便利さを得た一方で、環境への影響を正しく認識し、責任ある処理を行う姿勢が求められています。
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PCBが原因となったカネミ油症事件

引用元:フォトAC
日本におけるPCB問題を語るうえで、カネミ油症事件は避けて通れない出来事です。この事件は、化学物質の危険性と、食品を通じた人体への影響を社会に強く認識させる契機となりました。
発生から半世紀以上が経過した今もなお、被害者の健康被害や社会的救済は続いており、PCBの恐ろしさと環境管理の重要性を示す象徴的な事例となっています。
◇カネミ油症事件とは
カネミ油症事件とは、1968年(昭和43年)に発生した日本初の大規模な食中毒事件であり、その原因物質がPCBであったことで社会的な注目を集めました。事件の発端は、長崎県北九州市に本社を置く「カネミ倉庫株式会社」が製造した米ぬか油に、PCBが混入したことでした。製造過程で使用していた熱媒体油(カネクロール)が漏れ出し、精製中の米ぬか油を汚染したとされています。
この米ぬか油を摂取した人々が全国的に健康被害を訴え、発症者は西日本を中心に発生しました。厚生省(現・厚生労働省)の調査によると、公式に確認された患者は1,800人以上に上りましたが、実際にはそれを超える潜在的被害者がいたと推定されています。
事件は日本社会に化学物質の管理体制の不備を突きつける形となり、PCBの危険性を国民的に知らしめるきっかけとなりました。
◇被害者の症状

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カネミ油症の被害者は、主に皮膚や内臓に深刻な症状を呈しました。代表的な症状は、黒色のニキビ様発疹、皮膚の色素沈着、爪の変色などで、見た目にも強い変化を伴いました。加えて、倦怠感、頭痛、吐き気、食欲不振などの全身症状が現れ、肝機能障害や免疫低下、甲状腺異常、神経障害なども報告されています。
PCBは脂肪に蓄積する性質を持つため、長期的に体内に残留し、慢性的な健康被害を引き起こします。さらに、母体から胎児への移行も確認され、次世代への影響も懸念されました。出生した子どもに発達遅延や皮膚症状が見られた例もあり、事件は単なる食中毒ではなく、長期的な環境汚染・健康問題として位置づけられるようになりました。
PCBとともに、当時の製造工程で生成されたジベンゾフランなどの副生成物も毒性を強める要因とされ、複合的な健康被害の要因になったと考えられています。
◇被害者の苦労
被害者は、長年にわたり身体的・精神的な苦痛と社会的偏見に苦しんできました。発症初期には、原因が特定されず「原因不明の皮膚病」などと誤解されることも多く、適切な治療を受けられない状況が続きました。また、見た目に症状が現れるため、地域社会や職場で差別や孤立を経験する被害者も少なくありませんでした。
さらに、補償問題や救済制度の整備も時間を要しました。1970年代には政府による救済制度が整備されましたが、認定基準が厳しく、申請しても患者として認定されない人が多数存在しました。後年、追加調査や裁判を通じて救済対象が拡大されたものの、被害者の高齢化が進み、医療費や生活支援などの課題は現在も続いています。
被害者団体は全国各地で活動を続けており、PCBの完全処理と再発防止、そして公的な補償の充実を求めています。事件から半世紀以上経った今もなお、社会全体で記憶を風化させず、支援を継続することの重要性が問われています。
◇カネミ油症関連年表
- 1881年(明治14年)
長崎県五島市に後の「カネミ倉庫株式会社」の創業者が誕生。 - 1947年(昭和22年)
カネミ倉庫株式会社が設立され、食用油や肥料の製造を開始。 - 1950年代
同社が米ぬか油の製造に着手し、熱媒体としてPCBを含む「カネクロール」を使用。 - 1968年(昭和43年)
カネミ油症事件が発生。PCBを含む米ぬか油が市場に流通し、全国的な健康被害が確認される。 - 1970年代
国による調査・補償制度の整備が進み、厚生省が患者認定制度を開始。 - 1990年代
患者団体が全国で活動を展開し、救済対象の拡大を求める運動が続く。 - 2000年代
PCB特別措置法が施行され、全国的なPCB廃棄物の処理と再発防止策が強化される。 - 2010年代以降
被害者支援や健康調査が継続され、長期的な医療・福祉支援の体制整備が進められる。
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PCBを含む電気工作物

引用元:保安点検ドットコム
PCBは電気工作物にも使用されていました。こちらでは、電気工作物の概要と、PCBを含む電気工作物をご紹介いたします。
◇電気工作物とは
電気工作物とは、変電、送電、発電、蓄電、配電の等、電気供給に必要な設備や施設を指します。その種類は、事業用電気工作物、自家用電気工作物、一般電気工作物の3つに分けられます。
事業用電気工作物は、電力会社が電気を供給するための大規模な設備であり、変電所や発電所などが該当します。自家用電気工作物は、600Vを超える電圧で電力会社から受電し、施設や個人が所有する設備で、病院や公共施設での利用が一般的です。
一般電気工作物は、低圧の電気設備を指し、住宅や小規模店舗などで使用されます。これらの設備は、安全性や適正な利用のために、電気工事法で定められた技術基準に基づいて設置・管理される必要があります。
◇PCBを含む電気工作物
PCBを含む電気工作物は、高圧変圧器、高圧コンデンサー、安定器などがあります。これらの装置は、電力供給や電圧調整に使用されますが、過去にはその絶縁油にPCBが使用されていました。
具体的には、高圧変圧器ではPCBとトリクロロベンゼンの混合液が使用され、その量は50kVAの場合で約115kgにもなります。この混合液は高圧変圧器の内部を満たしており、電気の変換作業中に使用されていました。
また、高圧コンデンサーも同様にPCBで満たされています。これは電気を一時的に蓄える装置であり、PCBが絶縁油として使用されていたため、内部に含まれています。
さらに、安定器もPCBを含む電気工作物の一例です。安定器は蛍光灯器具に内蔵されており、そのコンデンサー内にもPCB油が含浸されることがあります。この油が含浸された巻紙が一部の安定器に使用されており、これがPCBを含む要因の一つです。
これらの装置は、PCB特別措置法の対象となっており、適切な処理が必要です。つまり、廃棄される際には、専門の業者によって適切に取り扱われる必要があります。また、新しい装置の導入や既存の装置のメンテナンスなどでも、PCBを含むかどうかを確認し、安全な取り扱いが求められます。
高濃度PCB産業廃棄物と低濃度PCB産業廃棄物の違い

引用元:フォトAC
PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、かつて変圧器やコンデンサーなどの電気機器に広く使用されていた化学物質ですが、強い毒性と環境残留性のため、現在は厳しく管理されています。PCBを含む廃棄物は「高濃度」と「低濃度」に分類され、それぞれ処理方法や保管基準が異なります。
濃度によって処理対象の施設、運搬・処分の手続き、管理責任者の義務などが変わるため、正確な分類と適正な対応が求められています。
◇高濃度PCB産業廃棄物
高濃度PCB産業廃棄物とは、PCBの濃度が重量あたり0.5mg/kgを超えるものを指し、特別管理産業廃棄物として最も厳しい基準で取り扱われます。主に昭和40年代以前に製造された変圧器、コンデンサー、安定器などの電気機器に含まれており、環境中に漏れ出すと生態系に深刻な影響を与えるおそれがあります。
これらの廃棄物は、国が指定する「ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理事業(JESCO)」の施設でしか処理することができません。焼却や無害化処理を通じてPCBを分解・除去する仕組みが採用されており、処理工程は厳重な監視下で行われます。処理を依頼する際には、都道府県への届出や搬出計画の提出が必要であり、搬出後も適正処理証明書を保管する義務があります。
また、高濃度PCB廃棄物は一時保管中にも厳しい基準が設けられています。漏洩防止構造の保管容器を使用し、屋内で安全に保管することが求められます。万が一の事故を防ぐため、点検や管理記録の作成も義務づけられています。高濃度PCBの処理期限は法令で定められており、期限を過ぎると罰則が科される場合があります。
高濃度PCB産業廃棄物の適正処理は、環境汚染を防ぐとともに、地域社会の安全を守るための重要な取り組みです。国や自治体、事業者が連携して進めることで、過去に使用されたPCBを確実に処理し、将来の環境リスクを低減することが求められています。
◇低濃度PCB産業廃棄物
低濃度PCB廃棄物は、PCB濃度が0.00005%を超え0.5%以下のPCB廃棄物を指します。意図せずにPCBで汚染されているため、1972年(昭和47年)までに製造された機器だけでなく、それ以降に製造された機器も低濃度のPCBで汚染されている可能性があります。
PCB汚染の可能性は、メーカーまたは(一社)日本電機工業会で確認できます。処分期間は2027年(令和9年)3月31日で、処分を委託できるのは環境大臣が認定した施設と都道府県知事が許可する施設のみです。
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低濃度PCB産業廃棄物の種類

引用元:フォトAC
低濃度PCB産業廃棄物とは、PCBの含有量が0.5mg/kg以下である廃棄物を指し、高濃度PCBに比べて濃度は低いものの、依然として環境や人体への影響を及ぼすおそれがあるため、厳重な管理が必要とされています。]対象となるのは、使用済みの変圧器やコンデンサー、安定器などから発生する油や部材、清掃後の残渣など多岐にわたります。これらは用途や性状に応じて「低濃度PCB廃油」「低濃度PCB汚染物」「低濃度PCB処理物」に分類され、それぞれ異なる処理方法や取り扱い基準が定められています。
◇低濃度PCB廃油
低濃度PCB廃油とは、変圧器やコンデンサー、安定器などの機器内部に使用されていた絶縁油や潤滑油などで、PCBを微量に含有しているものを指します。濃度が高濃度PCBに満たない場合でも、法的には特別管理産業廃棄物として扱われ、厳格な処理手続きが求められます。
これらの廃油は、焼却処理によってPCBを熱分解する方法で無害化されますが、処理には環境大臣の認定を受けた専用施設が必要です。また、運搬や保管時には漏洩防止措置が義務づけられており、容器の密閉管理や定期点検が行われます。
さらに、廃油の分析によってPCB濃度を確認し、処理区分を確定することも重要です。濃度が基準値を超えていた場合は高濃度PCB廃棄物として再分類されるため、事前の分析と適正な判定が欠かせません。こうした管理を徹底することで、環境中へのPCB流出を防止し、確実な無害化を進めることが求められています。
◇低濃度PCB汚染物
低濃度PCB汚染物とは、PCBを含む油によって汚染された固形物や機器部品を指します。代表的なものには、PCBを含む油が付着した変圧器の鉄心・コイル、安定器の外装、汚染されたウエスや手袋、清掃で発生した残渣などがあります。
これらの廃棄物は、見た目ではPCB含有の有無が判断できないため、分析や調査によって濃度を確認し、適切に区分されます。
処理は主に焼却または溶融によって行われ、PCBを分解・除去する工程を経て安全性が確保されます。焼却処理では高温で完全燃焼させることで有害成分を除去し、残留PCB濃度を基準以下に抑えることが求められます。
また、保管時には油の染み出しや揮発を防ぐための遮水性・密閉性が必要とされ、屋内または専用保管庫での保管が原則です。低濃度PCB汚染物は処理量が多くなる傾向があるため、早期の搬出と処理計画の策定が重要となります。環境保全の観点からも、汚染物の確実な処理がPCB問題解決の鍵を握っています。
◇低濃度PCB処理物
低濃度PCB処理物とは、PCBを含む油や汚染物を焼却・洗浄・分離などの処理工程を経て、無害化された廃棄物を指します。これらは処理後にPCB濃度が法令基準以下であることが確認され、安全性が確保された状態で最終処分が可能となります。代表的な処理物には、洗浄済みの機器部材、焼却灰、処理後の金属くずや残留物などが含まれます。
ただし、処理物であっても完全にPCBが除去されたと証明されるまでは、引き続き特別管理産業廃棄物として扱う必要があります。最終処分前には再度分析を行い、PCB濃度が0.0005mg/kg未満であることを確認した上で、一般の産業廃棄物として再分類されます。
処理物の扱いは、環境省が定める技術指針に基づいて行われ、記録や証明書類の保存も義務づけられています。こうした管理体制によって、再汚染や漏洩のリスクを最小限に抑え、安全な循環処理が実現されています。低濃度PCB処理物は、PCB廃棄物対策の最終段階に位置づけられ、環境再生に向けた重要な成果物といえます。
微量PCB汚染廃電気機器等について

引用元:フォトAC
PCBを使用していないにもかかわらず、微量のPCBに汚染された絶縁油を含む電気機器のことで、以下の3種類に分類されます。
◇微量PCB汚染絶縁油
光ファイバーケーブルや電気機器に使用される絶縁油で、微量のPCBに汚染されたもの
◇微量PCB汚染物
微量のPCB汚染絶縁油が塗布、付着、封入された状態で廃棄物になったもの
◇微量PCB処理物
微量PCB汚染絶縁油と微量PCB汚染物を廃棄するために処理されたもの
PCB汚染の可能性メーカーや(一社)日本電機工業会で確認できます。微量PCB汚染廃電気機器等と判明した場合は、PCB特別措置法または電気関係報告規則に基づく届け出を行い、廃棄物処理法に基づいて保管しなくてはいけません。
かつて家庭で使用されていたPCBを含む家電製品

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家電製品にPCBを使ったコンデンサなどを部品に使用することは、行政指導により1972年(昭和47年)8月末で事実上禁止されました。しかし、それ以前に製造された家電製品の一部に、PCBが使用されていた可能性があります。こちらでは、かつて家庭で使用されていたPCBを含む家電製品の種類、危険性、判断方法などをご紹介いたします。
PCBを含む家電製品の種類
PCBが使用されているのは、1953年(昭和28年)以降に製造された家電製品です。PCBを含む家電製品は、電子レンジ、テレビ、冷暖房機、テレビの3つで、全体の95%を占めています。
PCBを含む家電製品の危険性
使用量は約800トン(日本のPCB総使用量の1.4%)と少なく、製品単位の含有量も微量です。家電製品に使われていたPCBを含むコンデンサは、PCBを含浸させたペーパーをアルミ箔で重ねて巻き、アルミ板や鉄板などで覆い密封し、ビスなどで固定されています。そのため、使用中にPCBがもれたり、発散したりして、環境汚染を引き起こすおそれはありません。
判断方法
家電機器の製造年を確認します。1991年(平成3年)以降に製造された家電製品は、PCB汚染の可能性は低いと考えられます。それ以前に製造された家電製品は、コンデンサなどの部品を取り外して絶縁油を採取し、PCB濃度を測定しますが、メーカーに依頼することも可能です。
廃棄の仕方
メーカーに点検とPCBの除去を依頼します。メーカーから検査済みの証票を受け取った家電製品は、粗大ごみ収集の申告を行って粗大ゴミとして廃棄します。
PCB産業廃棄物処理に関するよくある質問

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PCBを含む機器や廃棄物の取り扱いは、法律に基づいた厳密な管理が必要であり、所有者や管理者には多くの確認・届出義務が課せられています。PCBは人体や環境への影響が大きいため、誤った扱いが許されません。特に、設備の売買・撤去・廃棄などの場面では、適正な判断と手続きが求められます。
◇Q. 建物を売買する際の、PCB使用製品やPCB含有電気工作物の確認方法は?
建物や施設を売買する際には、所有者や仲介業者がPCBを含む設備の有無を事前に確認する必要があります。確認の基本は、建物内に設置されている変圧器、コンデンサー、安定器などの銘板を確認し、製造年や型式を基にPCB使用の可能性を判断します。銘板で判別できない場合は、製造メーカーに問い合わせるか、分析機関に依頼してPCB濃度を測定します。
また、都道府県や環境省のデータベースを活用することで、対象機器がPCB含有製品に該当するかを調べることが可能です。売買契約の際には、PCB含有機器の存在を明記し、適切な処理計画を引き継ぐことが求められます。
◇Q. 倉庫を撤去する際に、PCB廃棄物を他人に預けて保管してもらうことは可能?
PCBを含む廃棄物は、法令により所有者が責任を持って管理しなければなりません。他人や第三者に預けて保管してもらうことは原則として認められていません。PCB廃棄物は特別管理産業廃棄物に該当し、保管には漏洩防止や安全対策を施した専用設備が必要です。そのため、許可を受けていない事業者や個人による保管は法令違反となります。
倉庫を撤去する際には、まず所有しているPCB廃棄物を確認し、都道府県への届出を行った上で、環境省認定の処理施設または許可業者に引き渡すことが適切です。適正な処理が完了するまで、所有者自身が責任をもって保管・管理を継続する必要があります。
◇Q. PCBを含む電気工作物の使用を終了した場合、どのような手続きが必要?
PCBを含む電気工作物を使用終了した場合は、まず速やかに事実を記録し、所有者が都道府県または政令市へ届出を行う必要があります。その際、使用を終えた機器が高濃度か低濃度かを確認し、分類に応じた処理計画を立てることが求められます。
使用を終了した機器は、直ちに処理施設へ搬出することが原則ですが、搬出までの間は安全に保管することが義務づけられています。保管場所は、漏洩や倒壊のリスクがない屋内を選び、定期的な点検と記録の保存を行います。
処理が完了した際には、適正処理証明書を取得し、5年間以上保管する必要があります。これにより、法令遵守とトレーサビリティが確保されます。
◇Q. 電路から取り外したPCB含有電気工作物を、再び使用することは可能?
一度電路から取り外したPCB含有電気工作物を再使用することは認められていません。PCBを含む機器は、再利用や再設置が禁止されており、取り外し後は廃棄物として取り扱う必要があります。PCBは経年劣化や漏洩のリスクが高く、再使用による環境汚染や健康被害の可能性があるためです。
再使用を行った場合、法令違反となり罰則の対象となることがあります。したがって、取り外した時点で所有者は廃棄物としての責任を負い、速やかに処理手続きを開始しなければなりません。PCB含有機器の使用終了後は、保管・運搬・処理まで一貫した管理体制を整えることが、安全で法令に沿った対応につながります。
◇Q. 銘板が読み取れない安定器の取扱方法は?
銘板が汚損や劣化で読み取れない安定器は、製造年や外観からPCB含有の可能性を判断します。特に、1972年(昭和47年)以前に製造されたものはPCBを含む可能性が高いため、慎重な取り扱いが必要です。判別が困難な場合は、分析機関によるPCB濃度の検査を実施することで、安全かつ法的に正確な分類が可能になります。
また、判定結果が得られるまでの間は、PCB含有の可能性を前提として特別管理産業廃棄物として保管することが求められます。安定器の保管場所は屋内とし、油漏れや腐食がないよう点検を継続します。誤って通常の廃棄物として処理した場合、法令違反となるため、専門業者への相談や自治体窓口での確認が不可欠です。
PCB産業廃棄物の運搬や処理を依頼できる会社3選
PCBを含む産業廃棄物の処理は、厳格な法令に基づく管理と専門技術が求められるため、信頼できる認定業者に依頼することが不可欠です。適正な運搬・処理を行うことで、環境汚染の防止と法令遵守の両立が可能となります。
◇丸両自動車運送株式会社

丸両自動車運送株式会社は、産業廃棄物の収集・運搬を専門とする企業で、長年にわたりPCB廃棄物の安全輸送を手がけてきた実績を持ちます。創業以来、安全輸送を第一に掲げ、全国各地で高濃度および低濃度PCB廃棄物の運搬を実施しています。特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可を多数の自治体で取得しており、法令に則った確実な運搬体制を整備しています。
同社の強みは、PCB廃棄物の特性を理解した専門ドライバーによる丁寧な取り扱いと、GPS管理による運搬中の安全監視体制です。車両には密閉性・耐漏洩性の高い容器を搭載し、環境への影響を最小限に抑えています。
| 会社名 | 丸両自動車運送株式会社 |
| 所在地 | 〒424-0036 静岡県静岡市清水区横砂西町10-6 |
| 電話番号 | 054-366-1312 |
| 公式ホームページ | https://www.maruryou.jp/ |
また、これまで多くの自治体・大手製造業・建設会社などの依頼を受け、安全かつ確実な運搬を行ってきました。丸両自動車運送株式会社は、実績と信頼を兼ね備えたPCB運搬の専門企業として高い評価を得ています。
丸両自動車運送株式会社の口コミ評判記事はこちら!
さらに詳しい情報は公式ホームページでも確認できます。ぜひチェックしてみてください。
◇光和精鉱株式会社

光和精鉱株式会社は、PCB廃棄物の無害化処理において国内有数の技術力を有する企業です。高濃度PCBを含む変圧器やコンデンサーなどの機器を、安全かつ効率的に分解・処理するための最新設備を備えています。環境省の認定を受けた処理施設を自社で運営し、焼却や化学分解など複数の処理方式を組み合わせることで、確実な無害化を実現しています。
同社は、長年にわたって有害廃棄物の再資源化・処理技術の開発に取り組んできました。PCB廃棄物の処理では、処理後の残渣や金属部品を再利用可能な資源として活用するなど、環境負荷の低減にも注力しています。
| 会社名 | 光和精鉱株式会社 |
| 所在地 | 〒804-0002 福岡県北九州市戸畑区大字中原字先ノ浜46-93 |
| 電話番号 | 0120-582-380 |
| 公式ホームページ | https://www.kowa-seiko.co.jp/ |
さらに、廃棄物処理の過程で発生するデータを詳細に記録し、トレーサビリティを確保することで、依頼企業に安心を提供しています。光和精鉱株式会社は、技術力と環境保全の両立を実現するリーディングカンパニーとして、高濃度PCB処理の分野で確かな信頼を築いています。
光和精鉱株式会社の口コミ評判記事はこちら!
▼光和精鉱のPCB廃棄物処理~総合技術と全国の代理店ネットワーク
◇三友プラントサービス株式会社

三友プラントサービス株式会社は、低濃度PCB廃棄物の処理を中心に、全国規模で産業廃棄物の収集・運搬・中間処理を行う総合環境サービス企業です。特別管理産業廃棄物の取扱許可を有し、PCBを含む変圧器、コンデンサー、安定器、絶縁油などの安全な回収・処理に対応しています。
同社の特徴は、現場調査から処理完了までを一貫してサポートする体制にあります。機器の種類や設置環境に応じて最適な搬出計画を立て、専用車両による安全輸送を実施しています。さらに、処理後には分析報告書や処理証明書を発行し、依頼者が法令に基づいた適正処理を確認できる仕組みを整えています。
| 会社名 | 三友プラントサービス株式会社 |
| 所在地 | 〒252-0132 神奈川県相模原市緑区橋本台1-8-21 |
| 電話番号 | 042-773-1431 |
| 公式ホームページ | https://www.g-sanyu.co.jp/ |
これまで、官公庁や大手企業をはじめ、多くの事業者からPCB処理業務を受託してきた実績を有しており、高い技術力と誠実な対応で信頼を得ています。三友プラントサービス株式会社は、確実な処理と丁寧なサポートを両立する企業として評価されています。
三友プラントサービス株式会社の口コミ評判記事はこちら!
まとめ

引用元:フォトAC
PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、過去に広く利用された化学物質であり、その有毒性が認識された結果、現在は製造・輸入が禁止されています。電気工作物にも幅広く使用されており、特に高圧変圧器や高圧コンデンサー、安定器などにおいて絶縁油として用いられていました。これらの装置は、PCB特別措置法の対象とされ、適切な処理が求められます。
さらに、PCBは家電製品にも含まれており、製造年が1953年以降の電子レンジ、テレビ、冷暖房機などに広く使用されていました。しかし、1972年8月末以降には、行政指導によりPCBを使用した家電製品の製造が事実上禁止されました。1991年以降に製造された製品はPCB汚染の可能性が低いとされますが、それ以前に製造された製品については注意が必要です。
不要な家電製品の廃棄に際しては、メーカーに点検とPCBの除去を依頼し、検査済みの証票を受け取った後、粗大ゴミとして廃棄する必要があります。このように、PCBを含む製品の安全な処理が重要であり、環境保護と健康被害の防止に向けた取り組みが行われています。
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