PCB廃棄物の判定基準は？特別管理産業廃棄物に該当する条件 | PCB処理完全攻略ガイド

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PCB廃棄物の判定基準は？特別管理産業廃棄物に該当する条件

公開：2023.11.29　更新：2024.05.21

PCB廃棄物の判定基準はPCB（ポリ塩化ビフェニール）の濃度に応じて、高濃度と低濃度に区分されます。この分類は、PCB廃棄物の取り扱いと処理方法を区別するために重要な基準となっています。分析方法には機器分析法、生化学的分析法、洗浄液試験法、拭き取り試験法、部材採取試験法、迅速分析法があり、選択は対象物によります。

PCB廃棄物の判定基準は？濃度よる区分

PCB廃棄物の処理区分

PCB廃棄物は、その中に含まれるPCB（ポリ塩化ビフェニール）の濃度に応じて、高濃度と低濃度に区分されます。

高濃度PCB廃棄物は、PCB濃度が0.5%（5,000mg/kgまたはppm以上）を超えるものであり、可燃性のPCB汚染物については10%（100,000mg/kg）を基準に分類されます。

一方、低濃度PCB廃棄物は、PCB濃度が0.00005%（0.5mg/kg）を超え0.5%以下のもので、その存在量が多いものとして、電気機器などに本来使用されないはずの絶縁油が微量のPCBに汚染されたものが挙げられます。

この分類は、PCB廃棄物の取り扱いと処理方法を区別するために重要な基準となっています。

低濃度PCBの種類と濃度による区分

低濃度PCBの種類

低濃度PCB汚染物は、さまざまな形態で存在し、その種類に応じて異なる基準が設けられています。これらの基準に基づいて、異なる種類の廃棄物が低濃度PCB汚染物として判断され、適切な処理方法が適用されます。

・廃油
廃油中のPCB濃度が0.5mg/kg以下である場合、低濃度PCB汚染物として扱われます。PCBの検出には特定の分析方法が利用されます。

・廃酸と廃アルカリ
廃酸や廃アルカリ中のPCB濃度が0.03mg/L以下である場合、低濃度PCB汚染物として評価されます。この基準は環境庁告示第13号に記載されています。

・廃プラスチック
PCBが0.5mg/kgを超えた油が付着していない場合、低濃度PCB汚染物として扱われます。分析方法として告示第192号別表第三の第二や第三を参考にします。

・金属くず、陶磁器くず、紙くず、木くず、繊維くず、コンクリートくず、汚泥、その他
検液中のPCB濃度が0.003mg/L以下である場合、これらの材料は低濃度PCB汚染物として評価されます。分析方法は環境庁告示第13号を参照し、一部は低濃度PCB含有廃棄物測定方法を準用します。

低濃度PCBの濃度による違い

低濃度PCB廃棄物には、微量PCB汚染廃電気機器等と低濃度PCB含有廃棄物の2つの主要な濃度によるカテゴリーがあります。それぞれ、異なる基準と特性を持っています。

微量PCB汚染廃電気機器等

「微量PCB」とは、本来PCBを使用していないはずの電気機器等で、意図せず微量のPCBが絶縁油に混入している場合を指します。微量PCB汚染廃電気機器等には、以下の3つのサブカテゴリーがあります。

・微量PCB汚染絶縁油
電気機器やOFケーブルに使用された絶縁油で微量のPCBによって汚染された廃棄物。

・微量PCB汚染物
微量PCB汚染絶縁油が塗布され、染み込み、付着し、又は封入された汚染物の廃棄物。

・微量PCB処理物
上記の廃棄物を処理するために生成された廃棄物。

低濃度PCB含有廃棄物

低濃度PCB含有廃棄物には、以下の3つの主要なカテゴリーが含まれます。
これらのカテゴリーは、PCB濃度に応じて異なる基準が適用され、適切な処理と管理が行われています。低濃度PCB廃棄物は、微量のPCB汚染や低濃度のPCBを含む廃棄物を包括的に指す用語として使用されています。

・低濃度 PCB 廃油
PCB濃度が5,000mg/kg以下の廃油等（主に液状物）。

・低濃度PCB含有汚染物
PCB濃度が100,000mg/kg以下の汚泥、紙くず、木くず、繊維くず、廃プラスチック等。

・低濃度PCB含有処理物
PCB廃棄物の処分を目的として処理され、PCB濃度が5,000mg/kg以下のもの。

PCB廃棄物の濃度の測定方法

PCB廃棄物を分析・濃度測定することの重要性

PCB廃棄物の分析と濃度測定は、現在の機器が汚染されているか否かを確認し、その後の適切な処理方法を決定する上で非常に重要です。

PCB（ポリ塩化ビフェニル）はその優れた電気絶縁性や耐薬品性から多くの産業で利用されてきましたが、その有害性が認識され、製造は1972年から禁止されました。しかし、その後も未使用のはずの重電機器から微量のPCBが検出され、メンテナンス時の混入などにより意図しない汚染が判明しました。

機器メーカーから提供される情報に基づいて、製造年や型式などでPCBの有無を確認できる場合もありますが、メーカーからのPCB不含有の証明書がない場合、将来的には必ずPCBの含有を確認する必要があります。計画的な設備更新や維持管理の一環として、早めのPCB分析が強くお勧めされます。

特に低濃度PCBの場合、濃度の正確な測定が不可欠です。電気機器や他の対象物に含まれるPCBの量を分析し、それに基づいて適切な処理方法を決定する必要があります。PCBは人体への悪影響があるため、適正な処理がますます重要となっています。

昭和47年にPCB製品の製造が中止されたにもかかわらず、未だに機器からPCBが発見され、その数は増加しています。このため、PCB含有分析を通じて、PCB廃棄物の適切な処理を確保することが不可欠です。

PCB濃度の測定方法

PCB濃度の測定方法にはいくつかのアプローチがあり、その選択は対象物や処理のニーズに応じて決定されます。これらの方法は、PCB濃度の測定において異なるアプローチを提供し、処理の適正性を確保する上で重要な役割を果たしています。適切な方法の選択は、対象物の種類や処理の要件に応じて行われるべきです。

機器分析法

この方法では、特定の分析機器を使用してガスや電子を利用してPCB含有濃度を検出します。代表的な機器にはGC/ECD（ガスクロマトグラフィー/電子補足検出器）やGC/MS（ガスクロマトグラフィー/質量分析法）があります。これらの機器は、成分ごとの特徴的な分子や電圧を検出し、PCBを高精度で検出します。

生化学的分析法

生化学的な手法を用いてPCBの含有量を測定する方法です。簡易定量法や迅速判定法などが含まれます。例えば、高濃度硫酸シリカゲルカラムやフロースルー式免疫測定法（イムノアッセイ）を使用してPCBを検出することがあります。これらの方法は、生物化学的なプロセスを通じてPCBを検出し、効率的に結果を得ることができます。

洗浄液試験法

洗浄後の部材の汚染程度を調べるために、洗浄液濃度を測定する試験方法です。部材の洗浄後に残留する汚染物を間接的に評価します。洗浄液試験法は、不十分な洗浄や洗浄状態のばらつきに注意を払う必要があります。

拭き取り試験法処理後の部材の表面を拭き取り、PCB濃度を測定する方法です。この方法は、特定の部材の表面を拭き取ることで、PCBの汚染を検出します。部材の材質や面積の一定性が重要です。

部材採取試験法

処理後の部材から試験を行う分を採取してPCB濃度を測定する方法です。拭き取り試験法と同様に、特定の部分から試料を取り、PCBの含有量を測定します。部材の前処理やサンプリング方法に注意が必要です。

迅速分析法

絶縁油中の微量PCB濃度をスピーディに判定できる測定方法です。変動係数が低く、偽陰性率が極めて低いのが特徴です。この方法には、GC/ECD法、LRGC/ECD法、GC/NICI-MS法、フロースルー式免疫測定法（イムノアッセイ）などがあります。

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PCB廃棄物は濃度に基づき高濃度と低濃度に分類され、処理方法が異なります。分析方法には機器分析法、生化学的分析法、洗浄液試験法、拭き取り試験法、部材採取試験法、迅速分析法があり、選択は対象物によります。

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